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「絶対なんかあったでしょ」
「ないよ」
「ある」
「ない」
「…当ててあげようか」
「馬鹿な事言ってないで早く食堂行くよ」
「A、風船救助されてたウィラさんのこと羨ましかったんでしょ」
「はあ？？」
とんでもないことを言い出す彼に思わず威嚇するような素っ頓狂な声が出た。しかし彼の言うことはあってはいないが間違ってもいない。別に羨ましいことは無いが、今日はされなかったなとか私以外にも風船救助行くんだな、とか多少ほんの少しミリだけ思っただけだ。彼はそういう特質を持っているのだから風船救助をするのは当たり前だ、それが私だけだった今までがおかしいのだ。そうは思っていても謎の喪失感があったのは間違いない。
彼の思い通りの展開になっている気がしてくそ〜〜と心の中で悪態をつく。彼はきっとそれがわかっていてこんなにニコニコしているんだろう。恐らくどれだけ否定しても信じてもらえないし、私自身彼のことが気になってきてしまっていると自覚してしまった今、彼に勝てる術は無いに等しい。
「ね、当たったでしょ」
「……………当たっては、ない」
「ふふ、あながち間違いでもないんだ？かわいいなあ」
「は、はあ！？目腐ってんの？」
「その照れ隠しもかわいい」
「や、やめて………」
「寂しがってるAもすっごいかわいかったよ」
「ほんとにあんたもう喋んないで…！」
普段言われ慣れていない「かわいい」なんて言葉を連呼され、自分が気に食わなくて隠したい感情を悟られたらさすがの私でも恥ずかしくなってくる。そして彼はベッドからずり落ちて床に座っている私に覆い被さるようにし、後ろはベッド、横は彼の腕という完全に腕で囲う形にしてしまった。
さらに彼は「顔見せて」と無理なお願いをしてくるのだ。今人生で三番目くらいに恥ずかしいから私に構わないで欲しい。
「ね、A……」
「………」
「お願い、顔見たい」
耳元に口を寄せ、低音の甘い声でそう囁かれてしまえば羞恥心はキャパオーバーし、目の前が滲んでくる。絶対見せてやるもんか、と顔を隠す手に力を入れた時、耳元でリップ音が聞こえた。それに思わず耳をガードする…それもまんまと彼の作戦に引っかかっているのだが。
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フルリ(プロフ) - ここさん» コメントありがとうございます！私も何回もコメントしていただけて嬉しいです…！とても嬉しい言葉をこんなにもいただけて書いている身としては有難い限りです(∩´∀`∩)次回作、公開致しましたのでぜひ！！お読みになってください！今後ともよろしくお願いします！ (2019年10月14日 11時) (
レス) id: d10d29f4b8 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 全部最高でした！！！何回もコメントしてしまうのは初めてです…！面白いのもシリアスなのも言葉選びとか間がすごく好みで、読みやすくて大好きです！！！！次回作公開されたら絶対読ませて頂きます！！お体に気をつけて、がんばってください！！ (2019年10月12日 2時) (レス) id: 73f2a4f0cd (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - 月光の狼さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しい限りです。これからもどうぞよろしくお願い致します。 (2019年10月10日 7時) (レス) id: d10d29f4b8 (このIDを非表示/違反報告)
月光の狼 - ﾁ~ﾝ(うわぁーめっちゃ上手ですよ！) (2019年10月3日 22時) (レス) id: 1da65a8f09 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - ミキさん» コメントありがとうございます！ナワーブくん私も推しなので気に入って頂けたようで嬉しいです、、！！もっとたくさん増やしていくつもりですのでよろしくお願いします！ (2019年10月2日 14時) (レス) id: d10d29f4b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フルリ | 作成日時：2019年9月24日 20時
