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25、期待 ページ26

あれから3日がたった。



クラスでは前と同じように春日と話している。









春日の気持ちを尊重したい、そう思って俺たちバレー部は春日を勧誘するのはやめた。



あいつが自らの意思で来てくれるのを待っている。









春日が言っていた通り、俺に嫌がらせをしていた先輩たちは部活をやめ、ものがなくなることは無くなった。


いつものように、部室で着替え、ネットの準備やモップがけを行っているとき、
突然バンッという音がして、体育館の扉が開いた。








そこには、春日がいた。


え、Aちゃん…?
来てくれたの?と、及川さんは喜んでいる。


でも、春日は制服にローファー、スクバを持って、いかにも、帰るついでと言った感じである。




全員が戸惑っている中、春日が声を上げた。


『わたしっ!今から正門までダッシュします!

私がもし、1番に着いたら…………

マネージャーは、諦めてください!』


……は?

呆然としていると、春日がそのまま背を向けて走り出した。

先輩たちを目を点にしている。


「クソっ」



俺は持っていたネットを放って走り出した。

しばらくすると後ろの方からも足音が聞こえる。





体育館から正門までは少し距離がある。

渡り廊下を抜けて職員室の前も通らなければならない。


それでも俺らは走った。
アップもまだしていない、それでも今自分の出る全速力で走った。





あいつ、早え!





少しすると、3年生たちが俺を追い越した。



少しずつ春日の背中が見えてきた。


早いと言っても女子だ。

全員が春日を追い越た。






もう少しで春日が正門まで来る、そんなとき春日が急にしゃがみこんだ。







ハアハアと荒い呼吸をしている。






『あんたたち、早すぎ…っ!』




と言い、しゃがんだまま水を飲んだ。








俺たちはしゃがみこんだままの春日まで駆けた。

26、期待してたのは私→←24、怪我の代償



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みどり(プロフ) - mikeさん» ありがとうございます! (2020年4月19日 11時) (レス) id: b6bd16b409 (このIDを非表示/違反報告)
みどり(プロフ) - アーヤさん» ありがとうございます!私も一瞬どうかなーって思いました笑 (2020年4月19日 11時) (レス) id: b6bd16b409 (このIDを非表示/違反報告)
mike - 国見くんのTシャツを取り返した時はハラハラしました!最後のダッシュにはびっくりしました!面白い作品をありがとうございます (2020年4月18日 21時) (レス) id: 637a950f3e (このIDを非表示/違反報告)
アーヤ - 最後の告白あっさりしすぎてなんか笑っちゃっいました。面白かったです(* >ω<) (2020年4月18日 20時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:プリン猫 | 作成日時:2020年4月7日 1時

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