検索窓
今日:16 hit、昨日:9 hit、合計:109,270 hit

24、怪我の代償 ページ25

国見side







放課後、部室で着替えようと思い、個人ロッカーをあけた、だが、




「服がない」





またあの人たちだろうか。

2年の先輩

1年である俺がレギュラーなのが気に入らないのか、普段から執拗な嫌がらせをされていた。




予備のTシャツを持っていた金田一に貸してもらうことにした。




すると、コンコンコンと部室のドアをノックする音が聞こえた。




「はいはーい」


と及川さんがドアを開けると、そのまま固まってしまった









Aがいた。









部室で誰も着替えていないのを確認すると、部室の中に入り、俺のとこまで来て、無くなったはずのTシャツをを差し出してきた。







部員みんな固まっている。

部室に入ってきたからではなく、膝や腕、唇から血が流れているからだ。






「お前、これ、どうしたの」

と聞くと

『取り返してきた』

とだけ返ってきた。




『これからは、嫌がらせ、なくなると思うから』


それじゃ、と言って部室を出ていこうとする春日の腕を掴んだ。

あまり力は入れていないにもかかわらず、春日は顔をしかめた。


腕を見ると少しだけ腫れている。





「傷、手当てする」


花巻さんが救急箱を渡してくれて、俺が傷の手当をした。


消毒液を塗る度、いった!と声が聞こえる。








「なにしたの」


『答えなきゃダメ?』


「当たり前だろ、こんな怪我して」







春日はさっき起きたことを話してくれた。
部活に行かなくなった理由も。






理由を聞いた俺たちはなんだか申し訳ない気持ちになる。






「そんなことがあったんだ…
気付けなかったよ、ごめん 国見ちゃん」


及川さんを筆頭に2、3年の先輩たちが俺に謝る。



『わたしも、あの時逃げずに言っておけばよかった、ごめんね』

と、春日にまで謝られた。



「俺は全然気にしてません 謝らないでください」




怪我の手当が終わると、春日が部室を出ようとする。

「春日」


今度は腕を掴まずに引き止めた




「俺たちがお前にマネージャーをやって欲しいという気持は変わってない

優しくされたから、とかじゃなくて、お前じゃないとダメなんだよ」




春日は黙って俺の話を聞いている。
目を合わせて、次のことばを待っている。




「いつだっていい

お前がやりたくなった時でいい

もう1回、部活に来てくれないか?」




春日は返事をせずに、『失礼します』とだけ言って部室を出ていった。

25、期待→←23、汚いひと



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (152 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
177人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みどり(プロフ) - mikeさん» ありがとうございます! (2020年4月19日 11時) (レス) id: b6bd16b409 (このIDを非表示/違反報告)
みどり(プロフ) - アーヤさん» ありがとうございます!私も一瞬どうかなーって思いました笑 (2020年4月19日 11時) (レス) id: b6bd16b409 (このIDを非表示/違反報告)
mike - 国見くんのTシャツを取り返した時はハラハラしました!最後のダッシュにはびっくりしました!面白い作品をありがとうございます (2020年4月18日 21時) (レス) id: 637a950f3e (このIDを非表示/違反報告)
アーヤ - 最後の告白あっさりしすぎてなんか笑っちゃっいました。面白かったです(* >ω<) (2020年4月18日 20時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:プリン猫 | 作成日時:2020年4月7日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。