【ONE PIECE】必要ない人間のはずだった【ゾロ】 (ページ1)

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1話ページ1

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私には前世の記憶がある。

日本という平和な国でそれなりに幸せに過ごしていた一般市民で、寂しくない程度に友人もいた。
何の変哲もない、然程苦労もしなかった一般市民。

何がきっかけで死んだかは覚えていないが、老衰ではないと思う。成人した記憶がないし。
まぁそんなことはどうでもいい。

私の友人の一人が、『ONE PIECE』という漫画に大層ハマっていた。好きになって十年近いから、色々感情拗らせてしんどいとか言ってた。よく分からない。
未読の私には大半は何言ってるか分からなかったけれど、楽しそうに語る友人の姿が好きだったので相槌打って聞いていた。

そんな友人は、主人公であるルフィの右腕的存在のゾロが好きらしい。
私でも知ってる有名なキャラクターだし、まぁ確かにかっこいいなくらいには思っていた。

曰く、ゾロはとても自立していてカッコイイ。
曰く、ルフィが船長であることを誰より意識しているし弁えているのが最高。
曰く、冷静な判断が出来るのに時々雑な脳筋思考になるギャップが刺さる。などなど。

バンバン机叩いて語るのは流石にやめてほしいなと思ったけれど、この友人がこんなになるくらいには魅力的なキャラクターなのだろう。

まぁ、私にはあまり関係がないかな_______

とか思ってたのが大間違いでした。
思い出した前世の膨大な記憶の中から、これがフと出てきた時点で自然と察したし目は死んだ。
多分その内生き返るから気にしないで、目の前の君(、)。

「さぁ挨拶しなさい、A。
今日からこの道場に入門する_______ゾロです」

「よろしくな」

「……よろしく、ゾロくん」

転生した私、ゾロの故郷である道場に通っています。
くいなちゃんは従姉妹です。詰んだ。