【ONE PIECE】必要ない人間のはずだった【ゾロ】 (ページ3)

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3話ページ3

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「おまえ、なんでそんな賢いんだ？」

「え？」

先生から頼まれた。道場の買い出しの帰り道。隣を歩くAが不思議そうにおれを見下ろしてちょっとムカついた。絶対追い抜いてやる。

学校らしい学校もないし、教えてくれる大人はいるがそいつもいつも暇なわけではない。賢いからこそ出来る仕事をしていて、その合間を縫って教えてくれるのだから学べることはなかなか増えないだろう。

それでもAは文字が読めたし、計算が出来たし、せかいじょーせー？っていう難しいことも知っている。
先生と時々難しい話をしていて入りにくい。

「んー……なんでだろうね？」

「なんだそれ」

「ゾロくんが何も考えなくても剣を握って素振り出来るみたいに、私にも意識しなくても出来ることがあるんだよ」

「…………よく分かんねェ」

「そっかー、分かんないか。難しいな」

困ったように笑うAはあまり突っ込んで欲しくなさそうだと思ったから、口を閉じた。
けど、前々から頼みたいと思っていたことを話すのにちょうど良いと思って見上げれば、不思議そうな顔をしている。

「なぁ、おれに文字を教えろよ。くいなにも時々教えてるんだろ」

「え」

「おれは大剣豪になる男だ。文字は読めなきゃダメだろ」

そういうことは分かるんだ……と感心したように言うAにムカついて、全力で腹に飛び蹴りしたらおれが先生とくいなに怒られた。

あいつが悪い！！！！

「女の子に、Aに飛び蹴りとかありえない！！あいつ次の鍛錬でボッコボコにしてやる！！！」

「くいなちゃん、こわ……」

「ふふふ、仲良くなれたようだね」

「やっぱり叔父さんのせいだったんだ……ずっと視線が痛かった」

「いや何、君なら上手くあしらえるだろうと思ってのことだよ」

「別にいいけど……大して何も変わらないだろうし」

「……そうかい」