番外編�� ページ46
("もしも"なんて許さない話)(謎時空)
のんびり長閑な船の上。
辿り着いた島に立ち寄って、思い思いの時間を過ごす。
私は元々船番なので甲板で日差しを浴びながら本を読み、一通り島を見てきたらしいゾロくんが目の前で筋トレに勤しむ。
そこでふと思い出して何となしに口を開く。
「そういえば、船、降りていいんだ」
「ア"ァ？」
「こわ」
アッ失言した。
秒速でそう理解したが、そもそもこの発言が漏れ出た時点で私は詰んでた。
「急に何だ」
「"船を降りるのも場合によっては許す"って」
「……………………っ、忘れろ！！！」
ゴトン！と重い音を立てて落ちる巨大なダンベルの重さを想像してゾッとしつつ、痛いところを突かれたような顔をするゾロくんに私が驚いた。
彼の驚いたときの顔は昔のままだなぁと思いつつ何と言おうか迷う内に彼は大股でズンズン歩み寄ってきて、あぐらをかいてどっかり目の前に座り込む。物凄く渋い顔。
「あれは治療なら仕方ねェって意味で、何にもないのに降りるのは……違うだろ」
「違うの？」
「違う」
ムスッと露骨に拗ねているので苦笑しつつ、珍しく私より下にある目を見る。相変わらず分かりやすい。
「別に降りないよ。気になったから言っただけ」
「……本当だろうな」
「ほんとほんと。じゃなきゃおとなしく本なんて読まない」
さっさと脱出経路とタイミングを見計らって逃げている。ナミさんやロビンほど上手くは出来なくても、私だって一端の海の女だ。多少の狡賢さはある。
そうやって生きてた時間をゾロくんは全く知らないだろうから、どうも昔の印象が抜け切らなくて彼の中ではずっと優しい私なままみたいだけれど。
とはいえ、少し気になった。
「もし、もしだよ？他に理由が……例えば好きな人が出来たから船から降りたいって言ったら、素直に諦めてくれるの？」
「諦めるゥ？あるわけねェだろ、相手をぶった斬ってでも引き留める」
「純粋に怖い」
思ってたより全然めちゃくちゃ怖い返答が来て、叫ぶことすら出来なかった。怖い。
「……言っただろうが。離す気はないし、船から降ろす気もない」
ガッと強めに頭を掴まれて、目を見開いた瞬間には慣れた感触と熱が唇に触れていた。あまりにもムードも何もない唐突なそれに固まる私を見た彼はやはり満足そうで。
「長年焦がれに焦がれて手に入ったもんを捨てるほど、おれァ人間出来てねェんでな」
悪どい笑みを眼前に、大きな瞬きを数回。
「……長年？」
「……忘れろ」
「エッッ」
気づいたときには二度目のキスが降ってきて、湧いた疑問は有耶無耶にされた。
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雅榴(プロフ) - あやさん» 今作で更に好きになれたなら嬉しいです〜！👏 たくさん楽しんで頂けたなら幸いです。こちらこそ読んで頂きありがとうございました！コメントもありがとうございました！ (2022年12月13日 16時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - この作品を読ませてもらって本当にドキドキとときめきが止まらなかったです！元々ゾロは好きだったのですがこの作品でもっと好きになりました。素敵な作品をありがとうございました✨これからも頑張ってください応援してます！ (2022年12月13日 9時) (レス) @page49 id: 0f7e0fb150 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - 翠さん» たくさんのお言葉ありがとうございます！とても楽しんで頂けたようでとても嬉しいです！長いし文も多いのに最後まで読んで下さってありがとうございました。時折頂けたコメントも嬉しかったしモチベになりました。コメントありがとうございました！(*´∀｀*) (2022年12月3日 20時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - なな姫さん» ありがとうございます〜！楽しんで頂けたなら何よりです！次回もまたONE PIECEかなと思っているので、その時もまたお付き合い頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました〜！ (2022年12月3日 20時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - 長文、何度ものコメント、失礼いたしました。お体にお気をつけて、過ごしていって下さい。今までも、これからも、応援しています！╰(*´︶`*)╯♡ (2022年12月3日 19時) (レス) @page49 id: eb4de4b192 (このIDを非表示/違反報告)
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