最終話 ページ43
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「…………しんどい」
とある一室にて。とあるオタクが撃沈していた。
「マジでヒヤヒヤした……毎週毎週心臓が寒かった……血を吐いたときは私も血ィ吐くかと思ったわ。いや吐いたわ。ストレスゲロを」
訂正。やべぇオタクが撃沈していた。
その手には分厚い冊子があり、開かれたページには真っ赤な顔をした女が目を回して気絶している。それを支える主人公と、ギョッとした顔を晒す男三人。
「にしても、そうかー……前世設定とかあるんだ……色々考察されてたけど、まさかこうくるかー」
パラパラと数ページ戻す度に「ウ"ッ」と奇声を上げながらも読み返し、再度撃沈するのを繰り返す。
泣いてる顔も可愛い、などとかなりアレな発言をこぼしつつiPadを手に取った。
「原作云々とは言ってなかったけど、前世ってことはその辺もあったりして……？でも多分これ以上掘り下げはないよね〜あって欲しいな〜！！ホーキンスと知り合った経緯とか！ノベライズでいいからお願いします公式様！！」
SNSのタイムラインを更新し、同志であり本誌勢であるフォロワー達の叫びと呻きを見てウンウン頷きながら、絶えず独り言を漏らす。
「アッ待って新着情報……ハ！！？！？ノベルロー、ノベルヒロインに続き、あの子が一人で旅をしていた数年間を……！？のべ、ノベライズ化……！？」
即座にいいねして拡散し、瞬く間に荒れていくタイムライン。もちろん彼女も荒らしている一人である。
「これ、これは三冊買わねば……！待って予約は？もしかしてグッズとかも新しいの出る？来年のバースデーグッズは全部予約したけど、またオンラインショップ見に行かなきゃ」
スマホとiPadの二刀流を駆使して情報を集める彼女はとてもイキイキしており、先ほどまでベッドの上で撃沈していた人間とは思えない。
不意に、その手が止まる。机の上に置かれた写真立てには、二人の女が華やかな笑顔で映っていた。
「……この子、あんたに似てるんだ。変に自己肯定感低いとことか、急な行動力とか。教えてあげたかったよ」
溌剌な笑みの女の隣には、何処か困ったように笑う女。
それでも優しいその目が、彼女は大好きだった。
彼女は全く知らない物語を語っても、興奮して支離滅裂になっても、根気よく楽しそうに聞いてくれた。
今はもういない、彼女の大切な友達。
「シャボンディ諸島とかショック過ぎて、この子のこと伝え忘れてたからさ」
また会えたら、目一杯布教してやるからね。
柔らかく笑った女は、鼻歌を歌いながらiPadを持ち直した。
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雅榴(プロフ) - あやさん» 今作で更に好きになれたなら嬉しいです〜！👏 たくさん楽しんで頂けたなら幸いです。こちらこそ読んで頂きありがとうございました！コメントもありがとうございました！ (2022年12月13日 16時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - この作品を読ませてもらって本当にドキドキとときめきが止まらなかったです！元々ゾロは好きだったのですがこの作品でもっと好きになりました。素敵な作品をありがとうございました✨これからも頑張ってください応援してます！ (2022年12月13日 9時) (レス) @page49 id: 0f7e0fb150 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - 翠さん» たくさんのお言葉ありがとうございます！とても楽しんで頂けたようでとても嬉しいです！長いし文も多いのに最後まで読んで下さってありがとうございました。時折頂けたコメントも嬉しかったしモチベになりました。コメントありがとうございました！(*´∀｀*) (2022年12月3日 20時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - なな姫さん» ありがとうございます〜！楽しんで頂けたなら何よりです！次回もまたONE PIECEかなと思っているので、その時もまたお付き合い頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました〜！ (2022年12月3日 20時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - 長文、何度ものコメント、失礼いたしました。お体にお気をつけて、過ごしていって下さい。今までも、これからも、応援しています！╰(*´︶`*)╯♡ (2022年12月3日 19時) (レス) @page49 id: eb4de4b192 (このIDを非表示/違反報告)
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