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「おぉ……!」
「わぁ、凄いですね!」
草木が風で揺れ、太陽が輝き、洗濯物が揺れ、少女達が笑っている。その中にはカナヲやアオイもいて、あまり知らないはずなのに彼女達の心からの笑顔を見事なまでに描き出していた
今にも風の音が聞こえ、草木の匂いが鼻を掠めて来そうな躍動感ある絵に炭治郎や玄弥は見惚れ、彼女は満足気に微笑んだ
「あの子は、あまり笑わないみたいだね」
視界の中に映る少女を見て、彼女は言う。
ピタリと貼り付けたような笑みを浮かべるその少女は、カナヲだ。
「カナヲですか?
カナヲは、自分の心の声が小さいから聞こえ辛いだけなんです!」
「!……心の声が、小さい」
「はい!」
「ふ、ふふ、面白い表現だね」
ならばきっと、彼女の心の声を聞こえやすくするのは他でもない炭治郎なのだろうな、と思う。
きっと彼女が心から笑い、泣き、怒るのは案外近い未来なのだろう。
ならばせめて、祈ろう。
私に出来るのはその程度だ。
「『
どうか貴女の心が、いち早く自由になりますように」
彼女は手を合わせた。
現実の彼女と、絵の中の彼女の両方を視界に入れながら。
そんな彼女の横顔を、炭治郎は不思議そうに見つめる
「ハレルヤ……?なんですか、それは」
「神に願う言葉だよ。
出会いに感謝し、未来の安寧を願うの」
「神様に……」
玄弥は少しだけ、昔を思い出した。
幼い頃、怪我をして泣きそうだった自分にも祈ってくれた少女。やっぱり痛かったし、涙は止まらなかったけど、すぐに治ると励ましてくれた彼女の祈りは優しかった
昔と変わらず、優しく祈る人だ。
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レッドクランチ - 私の中でドストライクの作品だったので終わるのが悲しい(´;ω;`)あっ最高に面白かったです!! (2019年10月7日 19時) (レス) id: 62b41d8f92 (このIDを非表示/違反報告)
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