10話、先輩さん ページ12
『…つまりは帰国最初のパーティーは大失敗だったにも関わらず、帰国最初の家族団欒は大成功だった訳だ』
「いいでしょう」
『いやよくねぇだろそれ』
スピーカーにしたスマホから、相手のツッコむ声が聞こえて凛はくすくすと笑った。笑いながらカチャカチャとパソコンのキーボードを打ち続ける。
『なぁ久遠寺。唐突だけど大事な女を失ったらどうやって気分転換すればいい？』
「本当に唐突ですね。私は園子やらに愚痴ってました。あとひたすら射撃」
『やめろ怖い』
貴方が聞いたんでしょうと言うと、電話の主はあははと笑う。
『あ、聞いたかお前。ルパンがまた何かして銭形さんと鬼ごっこしてたんだと』
「凝りませんねあの2人。特に警部」
『いやそこはルパンじゃねぇのかよ』
再びツッコまれ、凛は肩をすくめEnterキーを押した。ピピッと音がして、作業が終わった事をわからせてくれる。
んん、と背伸びをし、耳に髪をかけた。塞がりかけた穴が、少しばかり痛々しい。
「終わったのでツーリングにでも行ってきます。それかバスで優雅に散歩」
『後者だな。体鈍らせんなよ』
「貴方に言われたくないですよサボリ魔」
『あはは、違いねぇわ違いねぇけど歩け』
「何故命令形」
他愛のない会話をしながら、パソコンを閉じて首を回す。
「では失礼します。引き続き頑張って下さい」
『おうよ。あ、ちなみにこの前はジンの奴下っ端に色目使われてたぞ』
「知りませんよそんな事」
『マジかよん』
知らないに決まっている。凛がそう言うと、電話の主はあははとまた笑う。
その笑い声を聞きながら、彼女はサングラスを手に取り、外を見る。天気は快晴。
「…バスで散歩ですね。という訳で、失礼、中島さん」
『おー、あと俺は【ブランデー】と【大坪邦彦】だからなー』
忘れるなよ、と言い残して彼は電話を切る。
大坪邦彦デザイン会社社員。本当の顔はICPOの先輩捜査官中島辰馬。潜入している組織でのコードネームはブランデー。
「あの人、本気でいつ死ぬんだろう…」
不謹慎とも言える言葉を吐きながら、凛は真っ黒なゴムで髪を纏めた。
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ポッキー(プロフ) - 家族構成を詳しく教えてください！ (2018年8月22日 1時) (
レス) id: 7540b7af18 (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - 読ませていただきました！とても面白かったです！ (2018年7月13日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
扇スバル(プロフ) - 紗那さん» き、気に入ってるなんてそんな、ありがとうございます！�△任垢諭�投票ありがとうございました！ (2017年5月17日 1時) (レス) id: 67fea2266c (このIDを非表示/違反報告)
紗那 - 初めまして(*^_^*) 見つけてから 何度か読む直したりしていますが、とても気に入っています(^^♪ 描くのが大変かもしれませんが、私は�△任�願いします。 (2017年5月17日 0時) (レス) id: ed92358fdf (このIDを非表示/違反報告)
扇スバル(プロフ) - yunaさん» はい、�△任垢諭�投票ありがとうございます！ (2017年5月16日 16時) (レス) id: 67fea2266c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：扇スバル | 作成日時：2017年4月23日 2時
