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｢ご注文は？｣
落ち着いたカフェ。
学生の頃、よくここであずきとぶんちゃんと喋ってたな。
懐かしい。
ここからバイト言ったり遊びに行ったりしてた。
思い出がたくさん詰まった場所だ。
｢カルボナーラひとつと……えみちゃんは？｣
｢私はミートスパゲティで。｣
｢かしこまりましたー！｣
こうやって新しい友人を懐かしい場所に連れてくるのもひとつ、思い出になるかと思って紹介してみた。
｢ここのお店、綺麗だね。｣
｢でしょ。｣
学校勤務を辞めてからも連絡を取り続けてた大松先生こと、絵美ちゃん。
やっぱりずっと気が合うのでやめられんよ、この仲は。
しかも東海オンエアの視聴者かつメンバー以外でりょうくんとの関係のことを知っている人だから色々相談できるのだ。
｢最近同棲始めたんでしょ。どうなの？？｣
｢楽しいよ。｣
｢朝起きたらちゅーとかするの？おはよ、りょうくん、愛してるよっ、とか？｣
鼻息荒く聞いてくる。
さすがりょうくんのファン。
｢しないよ。朝起きた時の口内はうんこと同じくらい汚いんだよ？｣
｢Aちゃんそういうとこあるよなー。｣
呆れたような顔で言う絵美ちゃん。
うーん、こういうところあるって自覚してます。
｢結婚の話とかは出てないの？｣
｢うん。全く気配なし。私もまだいいかなとは思ってる。｣
｢そっかー。まあ、急がなくてもいずれはしばゆーとあやなんみたいな感じで暮らすんでしょ？家近くて良かったじゃん。｣
｢たしかに、しばゆーに比べたら距離的には近いかも。｣
しばゆーとこは大変そうだもんな。
一度、東海オンエアやめるかもってLINE来た時はビックリした。
私と、あとから知ったけどりょうくんが結構必死に止めたんだっけ。
だからこそ今のしばゆーはちゃんと輝いてる。
｢Aは動画には出ないの？｣
｢え！｣
まさかそんなこと聞かれるなんて。
びっくりして大声あげちゃった。
絵美ちゃん大慌て。
｢うるさいうるさい。｣
｢ごめんって。｣
｢視聴者は謎の女性とりょうくんの彼女、同一人物だって気がついてるよ？｣
え？
そうなの？
絵美ちゃんは、はいこれ、と言ってスマホの画面を見せてきた。
よくあるまとめサイトみたいだけど、タイトルがまさに私のこと書いてある。
読み進めていくと……。
｢えぇ、怖。ネットって思った以上に特定がすごいね。｣
｢Aはまたもう1回、動画出ないの？｣
……私は。
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作者名：糯 | 作成日時：2020年5月7日 2時
