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山田side
「和くん、見ていてね。大きくなるよ」ってバランスボールを
膨らませ始める。
落ち着いたのか大きくなっていくバランスボールに興味が
出てきたみたい。
「和くんの好きな黄色だよ、座れるよ」と座って見せる。
「和くんも座ってみよう」と少し強引？に一緒に座る。
少し揺らしてみると、予想に反してうれしそう。
「楽しい？和くん、これ好きかな？」
大泣きしていたのに、少し笑顔が見える。
「誰だっけぇ？さっきまで、泣いていたの？
和くんじゃなかったのか〜」って少し、からかう。
「和くん、いつもかっこいい洋服着ているよねぇ。
誰が選んでくれるの？」
「じゅ〜」
「潤くんなんだ」
智「潤がオシャレさんで、おまかせです。
着やすいかっこいいのを選んで、買って来てくれます。
ディへ行く日も、潤のコーディネートでした」
「今日も、座った時に着て欲しいとパーカーを準備して
学校へ行ったんですけど、ずっと、メソメソで
パーカーまだ、着てないんです」
山「パーカー、着てみようか？」
先生は、素早くパーカーを着せてくれ、また、バランスボールへ。
山「かっこいいよ、和くん。このままね、ボールの上へゴロンしよう」
先生は、和をバランスボールの上で仰向け、その後、うつ伏せにして
体を伸ばしてくれた。
嫌いなうつ伏せもバランスボールの上なら、平気。
バランスボール、気に入ったみたい。メソメソしている
時間が長かったから、終わりの時間。
山「和くん、降りよう」
もちろん、嫌そうな顔。
山「もっとやりたかった？だってねぇ〜
マッサージだけなのに、甘えん坊してパパと手をつないでるのに
泣いていたから(笑)」
和は、何とも言えない顔をしている。
山「でも、いいよ〜約束したマッサージはちゃんと
できたからね。
おつかれさま。
バランスボール、置いて帰るから、いろいろやってみてね。
シールも、置いて帰るね。
ディへ行っても、絶対、パパたちは和くんを、お迎えに
来てくれるよ。
ディサービスね、行きたくないかもしれないけど、
楽しいこといっぱいあるよ。
だから、ちょっとだけがんばって来てみてね。
先生も野口先生もお顔、見に行くからね」
微妙な顔つきのままの和を見て先生は、
「王子は、本当に甘えん坊だね〜ディの先生たちにも
お願いしよう。『抱っことよしよしがいい』って。
かっこいい洋服を着た赤ちゃんの時がありますって」
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作者名：ばるこひめ | 作成日時：2020年11月9日 6時
