★７８★ ページ29
翔「次、ともくんね」
とも
「・・・うん(泣)」
翔「ま〜くんに抱っこしてもおう」
雅「はい、おいで〜」
とも
「潤ちゃんと一緒？お尻、一個？二個？」
翔「一緒だよ、一個だけだよ」
翔「ともくんは、こっちでお熱測ろうね」
とも
「うん、お耳きらい」
翔「お耳の体温計、きらいだもんね、お耳の方が早いんだよ」
とも
「ママも言うけど、きらいなの」
翔「まだ、お熱高いからしんどいね」
とも
「入院？おっきい先生？足から検査する？」
翔「もう、心配しすぎ(笑)入院しないよ。
足から検査しない」
「入院になった時の方が、もっともっと、
しんどかったでしょ？」
とも
「うん、今よりしんどかった、
みんなね『がんばろう、がんばろう』って
ぎゅっとしたよ、先生もね、『余計にしんどくなるから
泣くな、もしもしだけだから』って待ってくれなかった」
翔「でも、ちゃんとできてえらかったよ」
とも
「うん、もう絶対入院しないよ、市立病院行かないもん、
翔先生がいい」
翔「翔先生だけで大丈夫なようにしようね、
もう少し食べるようにしようか？
体、強くなるよ。
野菜もお肉もお魚もね。
元気な時、ママを困らせてない？
朝ご飯、食べてから学校行ってる？
給食は？」
とも
「朝は食べてるよ、ママ、『翔先生と約束したもんね』って
給食は潤くんにお願いしてる。
野菜はいい。
友達はね、コンビニとかハンバーガーをたくさん食べているけど、
ママね、「また、今度にしよう」ってあんまり買ってくれない」
翔「約束守ってくれてうれしい、給食は潤くんってどういうこと？」
とも
「・・・あのね、怒らないで、嫌いな給食の時、潤くんに
食べてもらっているの、ちょっとは、がんばってるよ。
嫌いなのしか、入ってないんだよ、無理だもん」
潤「たまにね、食べてあげるの。ちょっとは、ともくんが食べているよ。
お腹空いたらかわいそうだから、潤ちゃんのパンと物々交換するよ」
翔「それさ、先生に見つかってないの？」
とも・潤
「全然、大丈夫だよね」
翔「お友達は何も言わない？」
とも・潤
「みんなね、協力してくれるよ、とも、これ嫌いでしょって少ないお皿を作ってくれるもん、
潤くんがお腹いっぱいの時はね、違うお友達が食べてくれるもん」
翔「ちょっと、ちょっと二人してうまいことやってるじゃん」
翔「朝も少しで、給食はお友達かぁ〜、で、野菜はだめ〜
ふ〜ん」
翔先生のひとり言を聞いて、ともくん、大あせり。
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作者名：ばるこひめ | 作成日時：2020年11月9日 6時
