★６５★ ページ16
「潤ちゃん、お待たせ。しんどいのにごめんね、翔先生に診てもらうよ」
「いやだ〜、翔先生だめぇ〜翔ちゃんなの(怒)」
翔「うん、翔ちゃんだよ。お耳でお熱はかるよ」
もちろん、高熱。内服薬、効いてない。
何とかもしもしを済ませて、お腹もね。
「横向くよ〜ズボンごめんねぇ〜」
「ばか〜いたい〜」って絶叫。
智くんが「もう、ばかはなし〜」って言っている。
「ちょっと、ちっくんするよ〜」
「しないの〜、翔先生だめよ〜」
潤ちゃんの文句を聞きながら、点滴完了。
「これ、とってよぅ」とシーネをとってと訴える。
「これ取っちゃうと、明日もちっくんだよ」って説明。
「じゃあ、いいよぅ」とあきらめた。
「潤ちゃん、おしまいだよ。がんばれました。
ゆっくり休もう」
おしまいを聞いたら、俺に文句を言ったのが途端に心配になったみたい。
「ばかってごめんなさい。いい子にする(泣)
でも、でもね、いたいいたいしないで〜
翔ちゃんがいいの」って言いながら、俺の抱っこへ移動。
「うん、なるべく翔ちゃんでいようね。翔先生にならない方が
いいね」
そろそろ、ともくんの様子を見に行きたいけど、俺に抱きついたまま
ウトウトし出した潤くん。
潤くんを抱っこしたまま、ともくんの様子を見に行く。
「変わりないですか？」
「はい、ぐっすり眠れています。ありがとうございます」
「潤くんも大丈夫ですか？」
「すみません、抱っこのままで・・・」
「いえ〜おろしたら起きちゃいますよ、
先生が翔ちゃん翔ちゃんって言われているのが新鮮でした」
「ばか〜ってうちのともと潤くんぐらいですよね〜」
「まる聞こえですね、お恥ずかしいです。
もう、勝手に父親気分なんで、調子悪いときは、文句いわれ
っぱなしです」
「さっきの話ではないですけど、甘すぎっていろいろなところから
クレームがきています。でも、やめられません」
また、のぞきますと部屋を出る。
潤くんをベッドへおろす。
智くんが
「また、迷惑かけてごめんね、いくらなんでも、中3だし
もう少しがんばらせるよ」って言い出した。
「もう、どうしたの？
俺、何とも思ってないよ。潤くん俺のかわいい患者さんだよ、
ばかって言われても、泣いてもいいんだよ。
今日は、蹴りもなかったし(笑)」
「ありがとうございます。お言葉に甘えて、これかもよろしくお願いします」
「はい、喜んでお願いされます」
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作者名：ばるこひめ | 作成日時：2020年11月9日 6時
