★６０★ ページ11
早く楽にしてあげたいけど、少し落ち着いてもらおうかな。
「ともくん、しんどいね、
どこが一番しんどい？
翔先生だから安心して、入院したくないね。
だから、少しだけがんばろう。泣いてもいいから」
大泣きで途切れ途切れだけど、
「全部しんどい、入院したくない、
でも、処置もできない・・・
パパにも怒られたけど、がんばれない・・・」と
ちゃんと、自分の気持ちを伝えられた。
「よく分かったよ。自分で伝えられたね」
「入院しなくていいように、今がんばろう」
できないって言うけど、「ううん、ともくんは
できるからがんばって元気になろう」
「翔先生、いじわる、ともくん一人で？」
「ホント、いじわるだ先生。今日はね、
パパとママにいてもらおう」
「いっぱい？いっぱいする？痛いこと。
ねぇ、何するの？」
予定を伝えてあげた方がいいと判断した。
「いつもと一緒。もしもしして、お腹も診るよ、
お尻のお薬、２個。お鼻、インフルエンザの検査ね。
一回だけ、ちっくんして、血の検査と点滴して
おしまい。おうちへ帰ろう」
「いっぱいすぎる」と号泣。
お父さんに抱かれたまま、「ママ〜」って助けを求めている。
ご両親は、ともくんに優しく話しかけた。
「いっぱいすぎるねぇ。嫌だねぇ。
でも、おうちへ帰れるんだって。
いつも翔先生、優しくしてくれるから大丈夫だよ」
結局、ご両親に説得してもらって申し訳ない。
「・・・うん、翔先生がいい。でもね」とお母さんに
何かを訴えている。
母「じゃあ、ママが聞いてみるね、答えを聞いたら
診察してもらうよ。いい？」
とも「うん」
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作者名：ばるこひめ | 作成日時：2020年11月9日 6時
