四つ葉のくろーばー (ページ17)

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番外編　９歳　３ページ17

桜は、おうちで過ごさせたいって希望した。

「坐薬して、ルートをお願いします。明日も休みだし、
　おうちで過ごしてみるよ。
　診察でこれだから入院なんてしたら、負担も大きいし
　迷惑をかけるから」

後輩
「わかりました。先輩に失礼ですけど、泣いて診察を嫌がるから、
　スタッフに迷惑だからっておうちで無理しないで下さいね」

「うん、ありがとう」

長引くだけかわいそうなので、処置。

坐薬は使った事があって、大嫌い。

注射ももちろん大嫌い。

ルートをとるとシーネ固定になるから、嫌がると思うけど
脱水症状が出たり、お薬が飲めない可能性も十分にあるから仕方ない。

研修医の先生と二人で大きなバスタオルを敷いたベッドへ無理矢理寝かせて
固定。

後輩が「潤くん、お尻のお薬するよ、お熱しんどいからね」って言いながら
坐薬を入れてくれた。

「やだよ〜いちゃい〜」って大泣きして大暴れ。

そのまま、バスタオルで身体を包み込んで、俺がその上へ覆いかぶさる。

左腕を研修医くんが固定してくれた。

「潤くん、ごめんね〜チクッとするよ」って後輩が声かけると同時に
ぎゃ〜って感じの大絶叫。

一発でルートをとってくれてありがたい。

シーネ固定してくれて、処置が終わった。

後輩
「潤くん、終わったよ。おしまい。がんばりました」

研修医
「強かったね〜、がんばったね」

ママ
「ありがとうございました。お休みにすみません」

「本当にありがとうございました。助かりました。
　水分だけは少しずつ飲ませてみるよ」

後輩
「いいえ、がんばったのは潤くんですから。
　ほめてあげて下さい。
　飲み薬と坐薬と点滴を処方させてもらいます。
　あとは、お尻が少しかぶれていたので軟膏を一緒に。
　先生、他になにか必要な処方ありますか」

「ううん、ありがとう。大丈夫だと思う」

後輩
「内服が難しいとかぐったりするとかあったら、遠慮せずに
　連れてきてあげて下さいね。
　もし受診されたら、私に連絡がくるようにしておきますね」

「何から何までありがとうございました。
　潤ちゃん、先生にバイバイして」

大泣きが続いていてそれどころではなかった。

診察を終えて、お会計とお薬を待つ間に「いちゃい、
おてて〜」って言いながら寝た。

何とか寝たままおうちへ帰ってきて、抱っこしている。

３０分もしないうちに目を覚ました。