四つ葉のくろーばー (ページ15)

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番外編　９歳　１ページ15

番外編潤９歳

翔side

土曜日の朝、潤ちゃん発熱中。

昨日の夜から何となく怪しい感じだった。

相変わらず、体温計が大嫌いで大泣き。

「潤ちゃん、きらいなの〜やめて〜」って。

ママと二人で思わず笑ってしまう。

「笑っちゃだめ〜」って。

ママ
「ごめん、ごめん。しんどいもんね」

「ちょっとだけ、もしもしに行こうか」拒否されるのを承知で
言った。

「じぇったい、いやよ、いかないの〜」って。

休日診療、やさしい先生だといいなと思いながら、病院へ
向かった。

車の中で「いかない〜もしもしきらい、」って泣き続けていたけど、
病院の中へ入ると俺にしがみついてきた。

同年代の子に比べると、まだまだ、小柄で体力もない。

知的にもだいぶ幼い。

受付へ向かっていると、偶然、小児科の後輩と研修医くんに会った。

後輩・研修医
「翔先生、おはようございます。どうされたんですか」

「おはようございます。昨日の夜から怪しかったんだけどね、今朝から
　３８度でちゃったから休日診療にきたのよ。
　ごめんね、あいさつもしなくて。診察、大の苦手で家を出る時から
　泣いて、泣いて」

後輩
「そうなんですね。溜まっている仕事をしようと思って出勤したので
　俺でよかったら診察させてもらいましょうか。
　今、混んでいるみたいだし、小児科の方で。先生が診察されますか」

ありがたい申し出にお願いすることにした。

受付だけ済ませて、勝手知ったる小児科外来へ。

同年代に比べて、体力もなくて知的にもだいぶ幼いことを手短に伝えた。

いつもの小児科外来だとわかった潤ちゃんは、「お部屋いかない。きらい〜」
って。

診察室が温まったらお呼びしますねってしばらく外待合で待つ。

ヒクヒクしながら「パパ、抱っこね。ママも行って」って言う。

「パパ、抱っこしているから大丈夫。ママも一緒だよ」