ぼくたち (ページ22)

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入院　３ページ22

空side
救急車で運ばれて、知らないところへきた。痛くて怖くてずっと泣いている。何もしなくても激痛なのに触られたり、レントゲンとったり。
救急車で一緒にきた先生が、「空くん、右足の骨がおれているから、手術して治そうね、今からするから、ちょっといろんなことするよ。
泣いてもいいからね。手術室へ行く前に、大地くんたちに会おうね。今はお部屋の前で待ってくれているよ」って言われた。
右足が激痛なのに、点滴して、浣腸して、また、右足をグィって触れた。最後に、看護師さんが「しばらく、歩けないからおしっこの管、入れようね」って
言った。そしたら、さっきの先生が「おしっこの管はいいよ。オムツにしてあげて。管は抜く時、少し痛いから空くんやめとこうね」って
オムツも嫌だけど、もう、嫌すぎてわからないよ。

「準備できたから、大地くんたちに会いに行こうね」ってストレッチャーに乗せられた。

大地・桜side
ずっと、空くんの絶叫と泣き声に翔くんたちの励ましてくれる声が聞こえてきて辛かったけど、１番辛いのは空くんだからね。
やっと、救急診察室の扉があいて、絶叫と泣き声と一緒に空くんが出てきた。
「にぃに、ねぇね」って本当に久しぶりの呼び名で俺たちを呼ぶ。
翔くんが「頑張ってきたよ」って付け加えてくれた。俺たちに手を伸ばしてきたから、2人で手を握って「びっくりしたね。痛いよね。翔先生に
骨、治してもらおうね、待ってるから」って頭を撫でて、ぐちゃぐちゃの顔をタオルでふいた。
長く会っていると、余計に行きたくなくなると思って「いってらっしゃい」って声をかけて手を離した。

空side
やっと、にぃにとねぇねに会えたのにすぐに、バイバイさせられた。
手術室へ運ばれて、硬い台の上に寝かされた。
さっきからいる先生が、「今度、起きたら終わってるからね」ってトントンされた。

大地・桜side
空くんを見送って、2人家族控室で待っていた。本当に、翔くんと智くんが通りかかってくれてよかったねって話した。
2人が通りかかってくれなかったら、今頃、空くんはどうなっていたんだろうと考えると本当に怖い。
手術した日は、家族が泊まれる規則だから、相談して桜ちゃんに泊まってもらう。俺も泊まってやりたいけど、急なことだから
クリニックを休診にできないし、しばらくは入院だから、ずっと休診にするわけにもいかない。