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『私もその列車乗ってるからさ、暇だったら禰豆子ちゃん連れて遊びに来てよ。』



「二人は一緒の任務じゃないんですか?」




尋ねると一瞬、迷いの匂いがした。

会話の流れが止まり、夜特有の静けさが部屋中を支配している。




『うーん、君にはバレちゃうかぁ.......』



「あっいえ!!話しづらいことだったら無理にとは...!!!」



『嫌われてるって感じかな?』



思わず耳を疑った。

嫌われている?

こんなに良い人なのに、どうして?



『ていうか、こうやって普通に話せてる君の方が珍しいくらいだよ。』



「え、でも。どうして、」



『はいっ、この話もう終わり!!!』




パンと手を叩いて立ち上がる。

いつのまにか規則正しい寝息をたてていた禰豆子を箱まで運んでくれる。




『わ、ビックリした.......猪?なんで?』



「あぁ....それは伊之助で、隣が善逸です。」




猪が眠る寝台を三度見していた。
おかげさまで、会う人全員に不審がられるから困ったものだ。




『あ、そういえば名前言ってなかった。私は時柱の、えっと......苗字は無いから、Aって呼んでくれれば良いよ。』




苗字は、無いのか......


ハッ!!!

危ない。
また詮索してしまいそうになった。

人それぞれ、色んな過去があるんだ。

無闇矢鱈に嗅ぎ回るのは良くない。ムンッ。




『炭治郎、だったよね?』



「はい!」



『君は凄く優しいから、きっとこの子達も同じくらい素敵な仲間なんだと思う。』




軽い喋り口調から、真剣に。

俺をしっかりと捉える目の微かな緋色は、此処からじゃ見えない。懐かしむような、願うような、その瞳からは何も分からなかった。




『信じてくれる仲間は、君をもっと強くしてくれる。守ってくれる。』





どうしてこんなに悲しいんだろう。


悲しんでるのは俺じゃなくて、Aさんなのに。




『絶対に手放しちゃいけないよ。』




頷くことしか出来なかった。

夜遅くにごめんね、と言った背中は年相応に小さい。軽やかに宙を舞って去っていく。




あの背中に、

今までどれだけのものを背負ってきたんだろう。




年もそう変わらない少女は、

どれだけの感情を殺してきたんだろう。







やっぱり、

あの人の周りに人がいないという事実は、

俺には信じ難いことだった。

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(プロフ) - まひるさん» ありがとうございます!!休校期間中に頑張って進めたいと思います笑 (2020年5月13日 13時) (レス) id: 320a011c9f (このIDを非表示/違反報告)
まひる - 夢主ちゃんが哀しいくらいに優しかったり、もう一人の子にもきちんと物語があったりととても惹き込まれる内容で大好きです…!!これからも頑張ってください! (2020年5月13日 11時) (レス) id: 0004663b73 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年5月9日 23時

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