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理解者 ページ7

『私は大丈夫です。それに、全体の士気を損ねてしまう可能性もありますので。』




「......本当にすまない。こうなる前に私がもっと対処できていれば...」





お館様だけは、私が仲間を斬りつけたという噂を信じなかった。ただ相手は二年以上柱を務めてきた信頼の厚い雲柱だ。どちらを信じるかなんて、聞かれる前から決まっている。





『...有難うございます。私の為にここまで親身に考えてくれるお館様は、やはり勿体ないほどの父親です。今の私には、それだけで十分過ぎるほど。』





お館様と初めてお会いした日。


私が全てを失った日。


生きてるか死んでるかも分からないくらいの絶望の淵で、優しく手を差し伸べてくれた。


その全てを包んでくれるような柔らかい温もりに、私はどれだけ救われてきただろうか。


この程度、借りを返すことにすらならない。





「....あぁ。Aも、私の自慢の子だよ。」





頭に感じる心地よい重み。



忘れていた人の優しさを思い出させてくれる。





「でも、優しすぎるのはAの短所でもあるからね。自分をもっと大切にして欲しい。」





『...私は、生来無慈悲な人間です。』






現に仲間に嘘をついているという事実は変わらない。今の状況にどこか安心している自分も確かにいるんだ。





『私は、お館様のようにはなれません。』






私のような半端者は、お館様のように誰かを心から救える人間にはなれない。





「A.....」






常に何かを偽って、自己防衛していないと安心できない。そんな人間が今まで信頼されていた方が奇跡だろう。

運が良かったんだ、今までは。






『.....失礼しました。本日は私事でこのような場を設けて下さり、誠に感謝申し上げます。』






一礼して部屋を出ると、あまねさんが玄関までお見送りしてくれた。私はまた一礼して、隠の元へ向かう。





本当に、刀を振るえるようになっても私はいつまでも弱いままだ。





私はいつも大切な人に悲しい顔をさせてしまう。






私がいると皆、笑顔になれない。

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(プロフ) - まひるさん» ありがとうございます!!休校期間中に頑張って進めたいと思います笑 (2020年5月13日 13時) (レス) id: 320a011c9f (このIDを非表示/違反報告)
まひる - 夢主ちゃんが哀しいくらいに優しかったり、もう一人の子にもきちんと物語があったりととても惹き込まれる内容で大好きです…!!これからも頑張ってください! (2020年5月13日 11時) (レス) id: 0004663b73 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年5月9日 23時

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