無力は罪だ ページ17
最近は嫌なことが立て続けに押し寄せていた。
列車で上弦と遭遇したのも、勿論その中に含まれると言っていいだろう。
あれから二週間が経ち血塗れだった体も無事完治した頃、私の屋敷を訪ねたのは人ですらなかった。
「カァー!!!ニンム!!!ゴウドウニンム!!!!クモバシラ!!!」
『まじか.....』
私に通達が来たばかりということは、まだ他の皆は知らないんだろう。知っていたら早々に誰かしらが屋敷に押し掛けて来ているはずだ。
『.....仕方ない、街にでも行こうか。』
「珍シイナ!!セヤ、餌モ少シ奮発シテクレテモエエンヤデ!!」
うっわー、二週間ぶりに聞いたエセ関西弁。
まぁ折角街に出るんだし、少しくらい良い餌でも買ってあげよう。
「煉獄は、もう戦場へは復帰できない。」
街へ出て一軒目に寄った甘味処。
どうしてこうも運が悪いんだろう。
蜜璃ちゃんが見えた辺りから嫌な予感はしてたけど、蛇男まで居るとは。
「どうしてお前がのうのうと生きているんだ。大事な柱の一人が欠けた。お前の力不足でまた多くの命が失われることになる。さぞ嬉しいことだろう、素直に笑ったらどうだ。」
長い。
死んで欲しいなら一言でそう言えば良いのに。
「見舞いにも行っていないらしいな。」
振り払われた腕の感覚が蘇るように疼いた。
「お館様がどういう考えかは知らんが、俺はお前を許すつもりはない。まぁ死んだら墓に小花くらいは添えてやってもいいがな。」
「い、伊黒さん.....」
蜜璃ちゃんが控えめに制止した。
私は何も言わずに立ち去る。
あぁ最低だな。
でも、言われたことは全部事実だ。
中途半端な才能で
煉獄さんに傷を負わせてしまった。
私は優しいから否定しない訳じゃない。
否定できないんだ。
私は弱いから、
いつも周りの人ばかりが傷つく。
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餅(プロフ) - まひるさん» ありがとうございます!!休校期間中に頑張って進めたいと思います笑 (2020年5月13日 13時) (レス) id: 320a011c9f (このIDを非表示/違反報告)
まひる - 夢主ちゃんが哀しいくらいに優しかったり、もう一人の子にもきちんと物語があったりととても惹き込まれる内容で大好きです…!!これからも頑張ってください! (2020年5月13日 11時) (レス) id: 0004663b73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:餅 | 作成日時:2020年5月9日 23時