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信じるということ ページ13

清花さんを斬りつけたこと、真実を言わないこと。
炭治郎はやりきれない気持ちを吐露した。

でも、その話はもう完結しているんだ。




「......Aさんは、それでいいんですか?」



『当然。』




もし私が真実を言ったところで何になる?

信頼を取り戻して何になる?

今までだって、

お館様さえいてくれれば生きて来れた


これからもずっとそれでいい。




『それに、鬼殺隊の皆は少し優しすぎるくらいだと思ってたから。君たちも含めてね。』




一度だけ理由を聞いたことがある。



どうして私に斬られたと言ったのか、


謝ってほしいとかじゃなく、


ただ理由が知りたかった。





すると彼女は、

「私の妹を殺した最低な母親に似てるから。」

と言った。





その言葉を聞いて私は酷く安心した。

この人はとても優しいんだと。





自分の目の前に吐き気がするほど心底憎い相手がいたらどうだろう。もし私だったら、初対面で殴りかかっても可笑しくはない。

その感情を全て押し殺して接してくれていたんだ、負荷は簡単に想像なんて出来なかった。


柱の皆が信頼するのもよく分かる。


この人は、すごく悲しい色をしているから。

私なんかとは比べ物にならないくらいの、辛くて悲しい過去を抱えているんだ。




『だから、雲柱も本当に悪い人じゃないんだよ。もし会っても普通に接してね。』



「でも、そんな理由で.....!!!」


『“そんな理由”なんかじゃない。どんなに優しくても、憎しみっていうのは簡単に無くなるものじゃないから。』




誰よりも努力して、


色々な感情を原動力に還元して、


人のために鬼を斬ってきたんだ。




そんな彼女の一時の過ちだ。



少なくとも私には


その居場所を奪う理由にはならない。





誰にだって知らなくていいことくらいある。





信じるものを失ったときの絶望、やるせなさ。

色んな感情を、人一倍経験してきた人達だから。




これ以上そんな思いはさせたくない。





人を信じるということは、たかが私一人分の信頼と引き換えられるほど軽いものじゃないんだ。




だから、


私は私という人間を堂々と掲げて、振る舞う。


たとえそれが偽りであったとしても。

脆性→←進○の善逸



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(プロフ) - まひるさん» ありがとうございます!!休校期間中に頑張って進めたいと思います笑 (2020年5月13日 13時) (レス) id: 320a011c9f (このIDを非表示/違反報告)
まひる - 夢主ちゃんが哀しいくらいに優しかったり、もう一人の子にもきちんと物語があったりととても惹き込まれる内容で大好きです…!!これからも頑張ってください! (2020年5月13日 11時) (レス) id: 0004663b73 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年5月9日 23時

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