第41話 ページ1
真選組との激突を繰り返し、ボコボコに凹んだパトカーが列車を目指して爆走する。
「このままでは近藤さんが暗殺される……! 土方さん、しっかりして下さい!」
「ぼ、僕は知らない。僕は知らない」
新八くんが耳元で叫ぶけど、土方さんはガタガタ震えるだけだ。
「このままじゃ、あなたの大切な人が、大切なものが、全部なくなっちゃうかもしれないんですよ!」
「A、どうすればいいアルか」
神楽ちゃんが私にたずねる。
「ここは銀さんの出番だから。上から目線だけど、私がしゃしゃり出ていいもんじゃないからね……」
「俺がどうこう言うもんでもねーけどな。だがコイツが動かなきゃ意味がねえってこった。A、俺が今からやること、わかってんだろ?」
「もちろん。無線、全車両から本部まで繋ぐよ」
この後の流れは知っていたので、私は後部座席から身を乗り出して無線をセットした。
「もしもーし。聞こえますかー、税金泥棒」
映画と同じくナメたような口調で話す。
「伊東派だかマヨネーズ派だか知らねーが、全ての税金泥棒に告ぐ。今すぐ近藤の乗った列車を追え。こいつは命令だ。背いた奴には士道不覚悟で切腹してもらいまーす」
案の定、スピーカーから怒鳴り声が聞こえてくる。
『なんのイタズラだ!? てめェ、誰だ!?』
「てめっ、誰に口きいてんだ。……誰だと? 真選組副長、土方十四郎だ、コノヤロー!」
大声で言い放つと、銀さんは投げつけるように無線機を置いた。
「ふぬけたツラは見飽きたぜ。真選組が消えるなら、てめーも一緒にくたばればいい。墓場まで送ってやらァ」
「冗談じゃない。僕は行かな__」
言い終わる前に、銀さんが運転をほっぽりだして後部座席に身を乗り出し、土方さんの胸ぐらを掴んだ。神楽ちゃんが慌ててハンドルを握る。
「てめーが人にもの頼むタマか!? 真選組、人に押しつけてくたばるタマか!? どうせくたばるならな、大事なもんの傍らで、剣振り回してくたばりやがれ! それが土方十四郎だろーがァァァ!」
「……ってーな」
土方さんが、銀さんの手首を強く握り返してる。
「痛ェって……言ってんだろーがァァァ!」
「土方さん、まさか……」
鬼の副長が、帰ってきた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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yunami☆彡(プロフ) - 夕焼けさん» コメントありがとうございます。定期的な更新は難しいですが、なんとか完結させたいとは思っていますのでなるべく頑張ります! (2021年6月7日 15時) (レス) id: dcfedc9460 (このIDを非表示/違反報告)
yunami☆彡(プロフ) - 那奈さん» 1年以上間が空いてしまって申し訳ないです。読んでいただきありがとうございます!なかなか滞っておりますが完結できるように頑張りますので、続きを更新した時は是非また読んでいただけると嬉しいです。 (2021年6月7日 15時) (レス) id: dcfedc9460 (このIDを非表示/違反報告)
夕焼け - めっちゃ面白いです!!最高すぎます、更新頑張ってください!! (2021年5月29日 18時) (レス) id: eaa7c87414 (このIDを非表示/違反報告)
那奈(プロフ) - スゴく面白いです!!大変だと思いますが更新頑張ってください!!楽しみにしてます! (2020年5月5日 23時) (レス) id: 4a3fdbf345 (このIDを非表示/違反報告)
yunami☆彡(プロフ) - ゆずみかんさん» ありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです(^^)少しずつ話を書き溜めてはいるので、時間を見つけて更新します! (2019年7月26日 20時) (レス) id: dcfedc9460 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yunami☆彡 | 作成日時:2019年6月29日 11時