第44話 ページ6
「土方め。今更来たところで何ができる。近藤もろとも全員消してくれる」
「消えるのはてめーらだ。見知った顔も見えるが、伊東派についたからには死ぬ覚悟はできてんだろうな」
総悟は腰の刀を抜き、伊東達に告げた。
「真選組局中法度21条。敵と内通せし者、これを罰する。てめーら全員……俺が粛清する」
総悟の殺気を感じて隊士達は身構えたが、伊東にとっては決して恐れることではなかった。あちらにしてみれば多勢に無勢。こちら側が負けるはずもない。
「自分の状況が見えていないようだ。今ここでは、反乱分子は君以外の何者でもない。土方が作った局中法度など、なんの意味もなさん。君達の真選組は消えるのだ」
伊東は部下達に命じる。
「ヤツを粛清しろ。僕は近藤を追う」
そして総悟に背を向け、車両後方へと向かった。
伊東派隊士達は一斉に総悟に向かって刀を構えた。対する総悟は、不利な状況でありながらも落ち着き払った口調で隊士達に語りかける。
「真選組一番隊隊長として、てめーらに最期の教えを授けてやらァ。圧倒的に力の差がある敵を前にしたとき、その実力差をくつがえすには数に頼るのが一番だ」
自分に殺意を向けている者達にアドバイスをする人間がどこにいるのだろうか。総悟の考えが読めず、伊東派隊士達は眉をひそめる。
「呼吸を合わせろ。心体ともに気を練り、最も充実した瞬間……一斉に斬りかかれ!」
言葉通り、隊士達は一斉に斬りかかった。いくら総悟であってもこれだけの数に押されてはひとたまりもないと、そう確信していた。だが、現実はそうはならなかった。
そのたった一太刀で、飛びかかっていったはずの隊士達は、まとめて総悟に吹っ飛ばされてしまったのである。そのうち何人かは窓を割り、なんと列車の外まではじき出されてしまった。
先程の教えなんてものは、彼ほどの相手には通用しないのだ。
「そして__死んじまいなァ」
総悟が舌を出し、浴びた返り血をペロリとなめた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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yunami☆彡(プロフ) - 夕焼けさん» コメントありがとうございます。定期的な更新は難しいですが、なんとか完結させたいとは思っていますのでなるべく頑張ります! (2021年6月7日 15時) (レス) id: dcfedc9460 (このIDを非表示/違反報告)
yunami☆彡(プロフ) - 那奈さん» 1年以上間が空いてしまって申し訳ないです。読んでいただきありがとうございます!なかなか滞っておりますが完結できるように頑張りますので、続きを更新した時は是非また読んでいただけると嬉しいです。 (2021年6月7日 15時) (レス) id: dcfedc9460 (このIDを非表示/違反報告)
夕焼け - めっちゃ面白いです!!最高すぎます、更新頑張ってください!! (2021年5月29日 18時) (レス) id: eaa7c87414 (このIDを非表示/違反報告)
那奈(プロフ) - スゴく面白いです!!大変だと思いますが更新頑張ってください!!楽しみにしてます! (2020年5月5日 23時) (レス) id: 4a3fdbf345 (このIDを非表示/違反報告)
yunami☆彡(プロフ) - ゆずみかんさん» ありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです(^^)少しずつ話を書き溜めてはいるので、時間を見つけて更新します! (2019年7月26日 20時) (レス) id: dcfedc9460 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yunami☆彡 | 作成日時:2019年6月29日 11時