第51話 ページ13
真選組隊士(と桂さん+エリザベス)により、鬼兵隊との戦いはあらかた鎮圧された。それを窓の外に見ながら、伊東さんはつぶやく。
「いつだって、気付いた時には遅いんだ。ようやく見つけた大切な絆でさえ、自らこわしてしまうとは……」
伊東さんは、神楽ちゃん、新八君を見、そして私に視線を移す。
「今思えば、君はあの時こうなる事をわかっていて忠告してくれていたんだな」
あれは伊東さんにハンドガンを貰った時のこと。
『未来を変えれば伊東さんは助かるかもしれないけど、乱起こさずして改心させられるかといえば、それは私には無理だから……』
私は確かにそう言った。
「あの時言ったこと、聞こえていたんですか」
「ああ。それを無視した結果がこれだ。だがいずれにせよこうなる運命だったのかもしれない」
親に認めてもらえず、学問所でもひとりぼっち。他人を拒絶したばかりに、本当に欲しかったものを見失ってしまった。伊東さんの境遇を思うと、いたたまれない。
私はなんと声をかけていいかわからず、ただ黙っていた。すると、十番隊隊長の原田さん率いる数名の真選組隊士がやって来た。
「そいつを、こちらにわたしてもらえるか」
新八くんが割って入る。
「お願いです。この人はもう……」
「万事屋……今回はお前らには世話になった。だが、その頼みだけは聞けない。伊東のために何人が犠牲になったと思ってる。裏切り者は俺達で処分しなきゃならねェ」
「お前ら、何言ってる__」
納得いかないというふうに声を荒らげる神楽ちゃんを、近藤さんが制止した。近藤さんは神楽ちゃんの肩に手を置き、原田さん達にうなずき返す。それは、伊東さんの処分は任せる、という合図。
ふたりとも不服そうだったけど、涙をこらえる近藤さんを見て、何も言えなくなってしまったようだった。
「近藤さん……」
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yunami☆彡(プロフ) - 夕焼けさん» コメントありがとうございます。定期的な更新は難しいですが、なんとか完結させたいとは思っていますのでなるべく頑張ります! (2021年6月7日 15時) (レス) id: dcfedc9460 (このIDを非表示/違反報告)
yunami☆彡(プロフ) - 那奈さん» 1年以上間が空いてしまって申し訳ないです。読んでいただきありがとうございます!なかなか滞っておりますが完結できるように頑張りますので、続きを更新した時は是非また読んでいただけると嬉しいです。 (2021年6月7日 15時) (レス) id: dcfedc9460 (このIDを非表示/違反報告)
夕焼け - めっちゃ面白いです!!最高すぎます、更新頑張ってください!! (2021年5月29日 18時) (レス) id: eaa7c87414 (このIDを非表示/違反報告)
那奈(プロフ) - スゴく面白いです!!大変だと思いますが更新頑張ってください!!楽しみにしてます! (2020年5月5日 23時) (レス) id: 4a3fdbf345 (このIDを非表示/違反報告)
yunami☆彡(プロフ) - ゆずみかんさん» ありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです(^^)少しずつ話を書き溜めてはいるので、時間を見つけて更新します! (2019年7月26日 20時) (レス) id: dcfedc9460 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yunami☆彡 | 作成日時:2019年6月29日 11時