泣いた先の向こう [鬼滅の刃]

#23 ページ24

伊黒「名前は呼ばないのか？」

『え…？』

伊黒「名前で呼んではくれないのか？俺もAが好きだが？」

『…好きだ……小芭内』

伊黒「そうか、ならば今日から俺達は恋仲だな」

『こ、恋仲…』

伊黒「何だ、違うのか？」

『違っ…その、恥ずかしくて…』

そう言うAの顔は真っ赤だった

伊黒「昔はあれだけ好きだの何だのと連呼していただろう」

『あれは幼かったからだ！今はもう19歳だし…小芭内だって21歳だし…』

伊黒「お前ももう19歳か」

『あぁ、来年でやっと成人だ』

伊黒「……ならば結納は近いな」

『………………はぁ！？』





･

というのが１ヶ月前の事

『ていうのが１ヶ月前にあったよ…』

甘露寺「伊黒さんと恋仲になったのね！？胸がキュンキュンしちゃったわ！」

『いや、でも結納は早いんじゃ…』

甘露寺「何言ってるの！私達は鬼殺隊よ？次に必ず会えるとは限らないわ。伊黒さんもそれは思ってる筈よ」

『…そうだな。またね、そう言って帰って来なかった部下は何人もいた。私達柱でさえ、いつ死ぬか分からない。それもあって、言ったのか…』

甘露寺「そうよ！そうと決まれば柱の皆に報告しなきゃ！あ、あとお館様にも！」

『そうだ………は？』

甘露寺「めでたい事だもの！皆に伝えなきゃ！」

『(柱に？アイツらに報告？どんなからかわれ方するか分からないぞ！？特に宇髄と胡蝶！いや何より小芭内が嫌がるかもしれない！小芭内の許可も取らないのは…！)待て、甘露、寺…！？』

Aは目を疑った

つい数秒前まで話していたにも関わらず、甘露寺の姿はもう無かった

『………甘露寺ぃぃぃぃぃぃぃ！！』

結局見つけた時には柱全員に伝わっていた

そして勿論、伊黒もからかいの対象となったのだった

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