海のお嫁さん【リヴァイ兵長】 (ページ3)

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外の世界ページ3

壁に行かないと＿＿＿＿

初めて人を殺してしまった罪悪感と汚くて、逃避した自分に対する嫌悪感にどうにかしてしまいそうだった私は海を見に行こうと思っていたのだった。
母が本で読んで見せてくれた世界。

青くて綺麗な水で死ねたらなって思って、
私は少しずつ大きな壁に向かって行った。

お腹が空いたらゴミを漁り、喉が渇いたら井戸の水を飲んで1週間かけて、狭い地下街からようやく壁まで辿り着いた。

私は知らない訳では無かった。

外には沢山巨人がいて、巨人達は人を食べる。

壁はその為にあって、壁の外には出れない。

例え、私が壁から出られたところで何処にあるかも知らなく、見たことも無い海に辿り着けるわけが無いという事を。

きっと私は、巨人の餌食にされる。

それにしても、人が多いな、

『今回は何人帰って来れるかね？』

『わざわざ壁の外に出ようだなんて、馬鹿らしいわね』

『調査兵団のお出ましか？くっそ、俺らの税金で肥らせてばかりだ。』

子供の期待の眼差しと、殆どの人達の嫌悪な視線の中、調査兵団は壁外調査に出発しようとしていた。

噂に聞いた事はあったが、生で見るのは初めてだった。

「この人達に紛れ込めば……」

そう思って、私は咄嗟に馬車の荷物積みの所に飛び込んだ。

そして1分も経たないうちにに壁の門が開き、馬たちも走り出した。

私は不思議と全く緊張することは無く、少しだけ期待を浮かばせていた。

15分が経った時ぐらいの事、
私は初めて見た壁の外の世界に夢中だった。

特に何かが変わった訳では無いけど、本来一生見るはずのない景色、人類の大半が見たことの無い景色だと考えると、もっとじっくり見てみようと思った。

『東方向に10m級2体！！』

『リヴァイ班頼むぞ！』

……私は息を飲んだ。

怪物だ＿＿＿＿

初めて人類がそこまでも恐れていた物を目の当たりにした。
生まれて初めて…

すると、すぐさま馬に乗っていた人達が方向を変え、飛び上がった。

「え？」

飛んでる…？

中でもずば抜けて早い速度で、男の人が巨人に飛びつき、刃で首の後ろを切り落とした。

2体とも膝から崩れ落ち、男の人は馬に戻った。

初めて見た光景に唖然とし、人類がここまでも恐れてきた意味を理解した気がした。

その後は5分ほど巨人が出現しなく、私も落ち着いて景色を見続けていた。

あ＿＿＿＿

青い…