海のお嫁さん【リヴァイ兵長】 (ページ1)

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夢ページ1

私はいつも想像している。

青く輝く果てしない水。
人はそれを海と呼ぶ。

私は海の中で＿＿＿＿

『A、起きなさい』

「…」

母の顔。

私はお母さんが大好きである。

そして時に憎いのである。

母は助けてくれはしなかった。

私が汚いおじさんに気持ち悪いことをされても、見ないふりをしていた。。こと、

私は知っている。

この小さな世界を。

地下にある小さな町でひたすら体を売る母を見てきたから

知っている。

気持ち悪い事をする度に母のお財布は膨らんでいく。

でも母がお酒を買う度に減っていく。

だから私も気持ち悪い事をしなければいけなくなる。

「たすけて、！！お母さん！！！」

あの時確かに母はそこにいた。けど、私は捨てられた。

『こりゃ、初々しくていいぜ』

私はもう汚くなってしまった。

小さい頃お母さんは聞かせてくれた。

母の小さな夢

『あのね、Aお母さんには夢があるの』

『それはね、心から愛してくれる人のお嫁さんになることよ、』

「ままはいつになったらお嫁さんになれるの？」

『いつだろうね』

母は色々なお話しを聞かせてくれた。

砂しかない世界や、氷しかない世界、無限に広がる青い水や、炎の水…

この小さな世界、小さなソファーの上で母は私に大きな夢を見せてくれた。

『A、夢はある？』

「うみ！！海に行きたい！海に行って素敵なお嫁さんになりたい！」

『そう、叶うといいわね。

そう、素敵なお嫁さんに＿＿＿＿

今日も母の上司のおばさんの言う通りに働く。

いつ来るか分からない、猛獣に脅えながら…

『A、お話をしたい方がいるわ！来なさい！』

＿＿＿＿＿＿＿＿来た。

手が震える…

私がより一層汚れる。

これじゃ誰も………………

『Aちゃん、久しぶりだねえ？』
『おじさん、会いたかったよ？？』

…………ごめんお母さん

『うっ…な、なにす……』

私は隠していた包丁で…必死に何度も何度も刃を入れた。

「うっ……ご、ごめんなさい」

辺り一面に広がる生々しい血の匂いに私は膝から崩れ落ちた。

もう、戻れない。

「ごめんね…ママ」

私はドアを破いて、必死に走った。

救いに手を伸ばして＿＿＿＿

この小さな地下街は何も見せてくれはしなかった。

だから、自分で見に行かなきゃいけない、そう思った。

あの広くて青くて優しい海ならきっと、穢れた私を綺麗にして、お嫁さんにしてくれるよね＿＿＿＿