恋愛の「れ」の字も知らない科学少年【Dr. STONE】

質問 ページ6

突然杠が、

「ところでところで、大切な人と言えば、好きな人！科学部部長様の千空君は、好きな人とかいないのかな?」

と筆箱をマイクのようにし、千空の方へ突き出した。鼻息荒いぞ杠よ。

「あ゛？大切な人じゃなくて、好きな人だぁ？」

鼻息を荒くした杠に、千空は引き気味で驚いていた。好きな人と言われ、眉を寄せる。

しかし私は、グッジョブ杠！と杠に目配せをした。何故なら、杠だけが私が千空のことが好きだということを知っているからだ。杠に打ち明けてから、杠は積極的に協力してくれている。ありがたい……

杠よ！よくぞ自然な流れで話を持っていってくれた!!
後でジュース奢ろう。

「だって気になるんだもん！いつも科学、科学言ってるから、女子に興味無いのかなーって」

杠の言葉に私もうんうんと頷く。

確かに千空はいつも科学優先だ。千空自身の事には恋愛の「れ」の字も無さそうなんだよな。女子と話していても、男子と態度変わんないし……

「俺の恋人はこの世界の科学さ」

なんて痛い事を言い出したらどうしよう……

「俺の嫁はこの娘」

とか言って超可愛いゲームのキャラクターとか、ドラ●もんのしず●ちゃんとかだったらどうしよう!!!なんかありえそうで怖くなってきた……

もしそうだったら、自分にチャンスはないのかなぁと気持ちが下向きになった。

「はぁー女子はこういうのほんと好きだよな。言っておくけどな、恋愛なんざ非合理的なんだよ。なんなら俺は科学に恋したほうが合理的だと思うがな」

ほら、やっぱり。次は「科学が恋人」発言が出てきそうだ。
周りの人たちも「千空らしい」と言っている。


「だが……そんな非合理的な気持ち、持っちまったもんは仕方ねぇよなぁ」


ザワッ

科学部室がざわつき、皆で千空の方を見る。

「そ、それってつまり……」

私は思わず息を呑んだ。

「俺にもいるぞ？好きな奴」

あっさりと→←大切な人

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