☆相談〈萩原朔太郎〉 ページ25
【贈り物】の続きです。
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どんなに変人な文豪さんだったとしても、一人くらいは友人と呼べる存在がいるものだ。
中也にとってはそんな存在であろう彼は、口を金魚のようにパクパクさせながら私の前に座っていた。
『ナイスタイミングで来てくれたね！萩々！！』
萩「よ、よくわからないけど…そうなんだ」
『そうなんだよ！！』
グッジョブっ！と親指を立ててウインクをかます。
萩々は少し混乱したのか、首をこてんと傾げる。それは仔犬が首を傾げる様子を思い描かせた。
え、なにそれ、ぎゃん可愛。
萩「えっと、それで僕を呼び止めた理由は…？」
『あ、そうだよね。ごめんごめん！』
そう云って萩々の方へと身を乗り出した。
『あのね萩々、今日は何の日だ？』
萩「今日？確か中也君の誕生日じゃ…」
『そう！！だーいせーいかーい！！！』
云うが早いが私は座布団から勢いよく立ち上がり、萩々を見下ろす形にする。
そしてビシッと人差し指を萩々の方に指した。
萩「…へ？」
『そこで君に重大な役を請け負ってもらいたい！』
萩「じゅ、重大な…？！！」
顔をサッと瞬時に青ざめさせ、ガタガタと震える様は蛇に喰われる前の蛙のようだ。
そ、そんなに怖がらないで…。
『あ、いや、重大って云ってもそこまで重く考えないで…！ただ中也に何を誕生日プレゼントにしたら喜んでくれるかの意見を聞きたいだけだから！』
萩「中也君…？そうだな…」
ふと考えるような仕草をして数秒後、萩々はまるでこれ以外あるのかと云いたげな顔をして見てきた。
物凄く嫌な予感がする。
萩「…お酒？」
『デスヨネー』
お酒＝中也。中也＝お酒。
やっぱり中也に贈る物の一番と云ったらお酒か。
ガッカリと露骨に肩を落としていると、萩々はその様子を見かねたのかワタワタしている。
萩「あ、でも」
『？でも？』
少し頬を染めて、幸せそうに微笑んだ。
萩「誰かから何か祝い物をもらう。それってとても嬉しいことだよ」
『…祝う』
萩「だから、何をあげたかじゃない。その人に幸せをあげられるかを考えて選んだものなら、きっと何を選んでも喜んでくれると思う」
萩「それにAがあげるものだし、喜んでくれると思うよ…？」
それじゃ、駄目かな？と萩々は恥ずかしそうに肩をすくめた。
幸せを、あげられる。
『…そっか…ありがとう萩々！！』
萩「お役に立てたようで何よりだよ」
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結愛 - 文アル歴早三年このお話お気に入りになった (2023年3月18日 22時) (
レス) @page9 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
法蓮草(プロフ) - 最中さん» わー！！ありがとうございます！！！これからも精進していきたいと思います！！ (2018年8月27日 22時) (レス) id: 6397094652 (このIDを非表示/違反報告)
最中 - 文アル最近始めたんですけど、この小説好きです！これからも頑張って下さい！ (2018年8月27日 1時) (レス) id: 4af8f25fc3 (このIDを非表示/違反報告)
法蓮草(プロフ) - 下野月さん» わー！ありがとうございます！！これを励みにもっともっと頑張ります！！(°▽°) (2018年5月15日 14時) (レス) id: 6397094652 (このIDを非表示/違反報告)
下野月(プロフ) - いつも読ませてもらってます！法蓮草さんの書く小説は本当に大好きです！これからも頑張って下さい！ (2018年5月15日 13時) (レス) id: 18e714d719 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：法蓮草 | 作成日時：2018年4月6日 21時
