二重人格〈中島敦〉 ページ12
『…がおー』
「…………えっと、Aさん？」
『おう、ごめんね』
まぁ、こうやって返されるのは薄々わかっていたので許そうではないか。その可愛さに免じて！
ビシィッと決めポーズを決めながら敦君を指差すと、敦君は軽く混乱しているようだった。
そりゃそうだ、いきなり変なポーズを取られたんだから。
敦「…その、どうしました？悩み事があるのなら聞き相手にはなりますよ、私…」
『今敦君の優しさが身に染みて傷口が抉られている思いがしているので少し待っててね』
え、私のせいですか？！すみません！！と素直に謝ってくれる敦君を宥めて、私は普通の姿勢に戻りながら口を開いた。
『あー、いや…敦君の裏の人格君ってどうやったら出て来るのかなーって考えてみたところ、やっぱり威嚇がいいかと思いまして』
敦「あ！さっきのは威嚇だったんですね！」
『そう！威嚇だったのだよ、敦君！』
敦「えぇ、とても可愛らしい威嚇でした！」
『…グハァっ！』
貴方の笑顔が私の心臓を抉っていることを貴方は知らない。可愛すぎて一回死んで転成しそう！
『…でも、実は私は貴方の裏の人格を呼び出すすべを君よりも知っているのだよ！敦君ッ！』
敦「えぇ？！本当ですか？！それはいったい…っ」
そこで敦君の会話が途切れた。
私が敦君の本体を取ったからである！！ドヤァ！
あ、本体は眼鏡です。敦君の丸眼鏡。
敦「…っふざけんなよ…」
『おー、怖い怖い。でも私、こっちの裏敦君は可愛いじゃなくてかっこいい派だからなぁ…』
そのかっこよさに免じて許してやろうっ！と学習しない私は又も同じポーズを本人にやった。人格は違う人だけど。
敦「…………は？大丈夫か、A」
『…あー、ごめんなさい』
やだもう裏敦君に心配された。
死んでもいいわ。←
敦「ったく、俺も暇じゃねぇんだ。解ったならさっさと引っ込んでろ」
『…』
敦「んだよ、まだ云いたいことがあんのか？」
…あぁ、そうか。
『君は優しいね』
敦「何処をどう根拠にしたらそんなトンチンカンな発想になれるのか知りたいくらいだな」
いやいや、そんなのさっきの二言で解るよ。
『暇じゃないって云ってたのに云いたいことがあるのか？って云ってたじゃない』
敦「…それがなんだよ」
『え、それって云いたいことがあるなら聞いてやる、暇じゃないけどなッてことでしょ？』
次の瞬間、裏敦君の顔が真っ赤になった。
前言撤回、やっぱり【敦君】は可愛い。
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結愛 - 文アル歴早三年このお話お気に入りになった (2023年3月18日 22時) (
レス) @page9 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
法蓮草(プロフ) - 最中さん» わー！！ありがとうございます！！！これからも精進していきたいと思います！！ (2018年8月27日 22時) (レス) id: 6397094652 (このIDを非表示/違反報告)
最中 - 文アル最近始めたんですけど、この小説好きです！これからも頑張って下さい！ (2018年8月27日 1時) (レス) id: 4af8f25fc3 (このIDを非表示/違反報告)
法蓮草(プロフ) - 下野月さん» わー！ありがとうございます！！これを励みにもっともっと頑張ります！！(°▽°) (2018年5月15日 14時) (レス) id: 6397094652 (このIDを非表示/違反報告)
下野月(プロフ) - いつも読ませてもらってます！法蓮草さんの書く小説は本当に大好きです！これからも頑張って下さい！ (2018年5月15日 13時) (レス) id: 18e714d719 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：法蓮草 | 作成日時：2018年4月6日 21時
