未確認生物〈新思潮+a〉 ページ11
…その生物の存在を知ったのは、寛と図書館の池で釣りをしていた時。
寛「お?Aの釣竿、来てるんじゃないか?」
『んぉ?あ、ホントだ!!』
寛の指摘で漸く気づいた私は、釣竿をぐいーっと引っ張って魚を取ろうとしていた。
まぁぶっちゃけた話、今日の晩飯代が浮くからラッキーぐらいにしか思っていなかったのである。
……あいつが来るまでは。
『んーっ、これで…どうだぁ!!』
渾身の力を込めて釣り上げた魚。ここで竿の糸が切れなかったのは唯一の救いだっただろう。
しかしそれよりも前に、現れた生物に私たちは言葉を失うしかなかった。
『は…?』
寛「は……?」
『「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!!!!」』
なんと寛と私の叫び声が奇跡的に重なった!
この事を素直に喜んでいいのかは微妙だが。
『かかか、寛?!!何こいつ!!』
寛「知らん知らん!けどワニっぽいぞ?!!」
ワニっぽいぞ?!!!!!←←←←←←←←←←
皆さんに一応伝えておこう。
ここはアマゾンではありません。
帝国図書館という、れっきとしたごく普通の図書館のごく普通の敷地内のごく普通の池です。
この時、半ばパニック寸前の私はそいつを両手で持ちながらワタワタしていた。
今考えたらそいつが今一番の大物だったりする。
いや、全く嬉しくないけど。
『ななな何でワニがここここここんな所に?!!』
寛「落ち着けA!とりあえずこいつの正体を…!」
「河童だろう?」
…空気が一瞬張り付いた。
私は頭を抱えたい衝動を必死に抑えながらブリキの人形のようにギギギッと首を回す。
仄かに香る白秋先生とは違うタバコの匂い。長い髪を揺らしながら近寄って来る容姿。
間違いないこの人は…。
『あああ、芥川先生?!!』
芥「やぁ、その生き物の正体が知りたいんだよね。ならそいつは河童だよ、きっと」
寛「龍、一応聞くが何で解るんだ?」
芥「そうだと僕が思ったからだね」
『…あー…はい』
つまり、こいつは未確認生物だ。←
寛「いやいや、普通に考えてデフォされたワニだろ!」
芥「寛、固いこと云ってたら夢見れないよ。ここは夢を見て河童にしようよ」
なんか外野もうるさくなって来たし。
『あー!!!もう解りました!じゃあこいつは“ワニ”と“かっぱ”を組み合わせた生物としてワニっぱと名付けます!!これでいいでしょう?!!』
↑『これがワニっぱ命名伝説』
国「いや、まず未確認生物を俺らに食わすなよ」
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結愛 - 文アル歴早三年このお話お気に入りになった (2023年3月18日 22時) (レス) @page9 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
法蓮草(プロフ) - 最中さん» わー!!ありがとうございます!!!これからも精進していきたいと思います!! (2018年8月27日 22時) (レス) id: 6397094652 (このIDを非表示/違反報告)
最中 - 文アル最近始めたんですけど、この小説好きです!これからも頑張って下さい! (2018年8月27日 1時) (レス) id: 4af8f25fc3 (このIDを非表示/違反報告)
法蓮草(プロフ) - 下野月さん» わー!ありがとうございます!!これを励みにもっともっと頑張ります!!(°▽°) (2018年5月15日 14時) (レス) id: 6397094652 (このIDを非表示/違反報告)
下野月(プロフ) - いつも読ませてもらってます!法蓮草さんの書く小説は本当に大好きです!これからも頑張って下さい! (2018年5月15日 13時) (レス) id: 18e714d719 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:法蓮草 | 作成日時:2018年4月6日 21時