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宥める〈徳田秋声〉 ページ1

文豪番号七十八。

派閥は尾崎一門で、文学傾向は純文学。


彼は、私が一番最初に出会った文豪だった。


むすっと塞がれた口に、不機嫌そうに見てくる目。
会った時は私自身に怒りを投げつけられているのかと思い、身を縮こめたくらいである。

そんな彼の現在はと云うと…


秋「ねぇA!ちょっといいかい?!」

『ほーい、今度は何かなー?』


…タメ口で呼び合えるくらいに仲良くなりました。


秋「師匠が、また僕のことを地味って云うんだ!」

『またか。そんな事だとは思ってたけどさ!w』


そんな事とはなんだい!そんな事とは!!とプリプリ怒りながら近づいてくる秋声をいつも通り宥めながら箱に入ったソレに手を伸ばす。


『羊羹、さっき館長から貰ったけど食べる?』

秋「食べるよッ!!」


そう叫ぶように云うと、私の隣の椅子にどっかりと座った。

そんな様子に半ば呆れながら羊羹を小皿に移して、フォークと一緒に秋声に渡す。


『まぁまぁ、何事にも甘味は良いものだよ。食べて一回頭冷やしな〜』

秋「Aは僕のことを子供扱いする…」

『それくらいに秋声が重く考えていることが、私にとってはどうって事ないって事だよ』


ニヤッと秋声に笑いかけると、秋声はいつも以上にじとっとした目で此方を見てきた。


秋「Aは何事も軽く見過ぎじゃないかい?」

『かもねぇ!』

秋「…ここまでくると、いっそのこと清いよ…」


諦めたようにため息一つ空中に放り込むと、秋声はいそいそと羊羹を頬張り始めた。

そんな様子を横目で見ながら、私も羊羹を頬張る。
そして小さな声で物を申した。



『…目立たなくても人一倍努力する。
それだけでも充分なくらい凄い事なんだよ、秋声』



だからこそ、君は凄い人だ。

少なくとも私にとっては。





秋「ん?なんか云ったかい?」

『秋声は相変わらず女々しいなーって云った』

秋「なっ…?!」

『あははっ!だんない、わやくや!』

秋「いきなりの方言やめてくれないかい?!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


…方言あってますかね…?_(:3」z)_

掃除〈泉鏡花〉→



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結愛 - 文アル歴早三年このお話お気に入りになった (2023年3月18日 22時) (レス) @page9 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
法蓮草(プロフ) - 最中さん» わー!!ありがとうございます!!!これからも精進していきたいと思います!! (2018年8月27日 22時) (レス) id: 6397094652 (このIDを非表示/違反報告)
最中 - 文アル最近始めたんですけど、この小説好きです!これからも頑張って下さい! (2018年8月27日 1時) (レス) id: 4af8f25fc3 (このIDを非表示/違反報告)
法蓮草(プロフ) - 下野月さん» わー!ありがとうございます!!これを励みにもっともっと頑張ります!!(°▽°) (2018年5月15日 14時) (レス) id: 6397094652 (このIDを非表示/違反報告)
下野月(プロフ) - いつも読ませてもらってます!法蓮草さんの書く小説は本当に大好きです!これからも頑張って下さい! (2018年5月15日 13時) (レス) id: 18e714d719 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:法蓮草 | 作成日時:2018年4月6日 21時

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