相談 傭兵 ページ7
「……というわけだ」
最近の悩みをイライとイソップに相談すると、二人が顔を見合わせため息をつく。
「ナワーブ君、それ本気で言ってる?」
「? 本気だが可笑しいのか?」
「僕、流石にAさんが可哀想に思えてきました……」
こいつらの言っている意味が全く分からない。
相談の内容というのは至って単純で、前は暑苦しくて仕方なかったはずなのに、最近ではAが引っ付いて来るとハンターが近くにいるわけでもないのに五月蝿いくらいに心臓がバクバクと音を立てて、嬉しくも、こいつに危機感は無いのか、もしかして他の男にもこうやって引っ付いてないだろうか、という複雑な気持ちになって仕方がなかった。
そしてそれを相談したところ、哀れむ様な目で見られた。何故だ。
「もういっそのことAさん本人に僕たちにしたみたいに、相談してこればいいんじゃないですか」
最早死んだ目をしたイソップに言われる。
イソップ君!?とイライは驚いているがイソップの意見にも一理ある。
分からないなら本人に聞けばいいよな。
「よし、ありがとな二人とも。 ちょっとAのとこ行ってくるわ!」
後ろから噓でしょ、とため息交じりの声が聞こえるが男に二言はない。
行くと決めたら行く。
数分ほど歩き回りようやくAを見つけた。
「おい、A」
俺が呼びかけるとこちらに振り返り、一瞬きょとんとした後、顔を綻ばせたそいつ。
バクバクと音を立て始めた心臓を無視し、話があるから部屋まで来てくれ、と告げる。
へあ!?とあの霧使いを思い出させるような驚き方をするAの腕を掴み、半ば強引に自室に連れ込む。
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うめぼし - あぁ…好きです… (2022年2月10日 0時) (レス) @page19 id: 6957d2b079 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 杠さん» コメントありがとうございます。小一時間踊り狂えるほど嬉しいです。ぜひ引き込まれてください (2019年12月8日 11時) (レス) id: 584fcfefdb (このIDを非表示/違反報告)
杠(プロフ) - うわ素敵な文章かかれますね…引き込まれちゃいそうです… (2019年11月2日 10時) (レス) id: 28dffd500b (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - ぽぴらさん» 温かいコメントありがとうございます...!なるべく早く更新できるよう頑張ります〜 (2019年7月27日 2時) (レス) id: 584fcfefdb (このIDを非表示/違反報告)
ぽぴら(プロフ) - ヒーーーッ好きです……悶えました……更新待ってます〜 (2019年7月8日 23時) (レス) id: 3f5b5addce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんず | 作成日時:2019年6月10日 19時