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運命すらも 占い師 ページ3

嗚呼、見てしまった。見てしまった。
愛しい彼女が他の男に寄り添って幸せそうに微笑んでいるところ。

いけない、いけない。
こんな未来、あってはいけない。

彼女は私といなければいけない。
彼女は私と添い遂げると決めたのだから。
彼女を一番知っているのは私なのだから。

「ね、イライ君! どう?どう?」

良い結果でた?と幼い子供のように目を輝かせながら占い結果を聞いてくる彼女はとても可愛らしい、といつもなら思っていただろう。

だが、それが他の男を想っての事だと思うと憎らしくて仕方ない。

「そうだね…あまり言いたくはないのだけれど…」

いい結果とは言えない、と噓をつくと一瞬目を見開いた後、うっすらと涙を滲ませた。

「え、あ、そうだよね! あの人が私なんか好きなはずないよね!」

分かっていたかのように振舞っているが声が震えて強がっているのがよく分かる。

無理して強がらなくていい、と両手を広げながら告げると声をあげて泣きながら私の胸の中に飛び込んできて彼女の甘い匂いが鼻をかすめる。
大好きな匂いだ。

「あのね、私、あの人の事ずっと好きだったの」

時間が経ち落ち着いたのだろう。ぽつりぽつりと少しずつ話し出す彼女。

「すごく、優しくて、気付いたら好きで……」

うん、うん、と適当に相槌を打ちながら緩んでしまいそうな口元を必死に抑える。
自分の一言でこんなにもいつもの明るさを失い、人前では強がって絶対に泣かない彼女が自分の一言で幼い子供のように泣きわめいて。

根っこにいるのは他の男、というのは少々腹が立つが、こんな不用心な彼女は私しか見られない。そう考えると、優越感がふつふつと湧き上がった。

「イライ君、ありがとね。 少し楽になった!」

まだ少し目は赤く、潤んでいる。
多分、私が気に病まないように、という彼女なりの優しさだろう。

「それは良かった。 また何かあったら何時でも相談しにおいで」

彼女にバレないようにもう一度彼女の未来を見る。

嗚呼、素晴らしい。
これこそが正しい未来だ。
私だけが彼女に寄り添い、二人きりで一生を過ごす。

「うん! 本当にありがとう!」

嗚呼、可愛い可愛い私のA。
君のためなら運命だってねじ伏せてあげる。
だから早く私の元まで堕ちておいで。

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うめぼし - あぁ…好きです… (2022年2月10日 0時) (レス) @page19 id: 6957d2b079 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 杠さん» コメントありがとうございます。小一時間踊り狂えるほど嬉しいです。ぜひ引き込まれてください (2019年12月8日 11時) (レス) id: 584fcfefdb (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - うわ素敵な文章かかれますね…引き込まれちゃいそうです… (2019年11月2日 10時) (レス) id: 28dffd500b (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - ぽぴらさん» 温かいコメントありがとうございます...!なるべく早く更新できるよう頑張ります〜 (2019年7月27日 2時) (レス) id: 584fcfefdb (このIDを非表示/違反報告)
ぽぴら(プロフ) - ヒーーーッ好きです……悶えました……更新待ってます〜 (2019年7月8日 23時) (レス) id: 3f5b5addce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんず | 作成日時:2019年6月10日 19時

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