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「やっぱり私の孫ね！似合ってるわ！」
今日は隣町のお祭りの日。
お婆ちゃんに"暇してるなら紫耀くん誘っていきなさい"と言われ誘ってみると、予定が空いてたらしく行けることになった。
お婆ちゃんに着付けをしてもらい浴衣を着た。
鏡に映る姿は自分なのに何処か違う人にも見える。
「ごめん。支度に時間かかっちゃって」
「大丈夫だよ。浴衣似合ってるね」
「…っありがとう」
平野くんの言葉にちょっと嬉しくなった。
「何か食べたいのある？」
目の前には沢山の出店が並んでいて、その中でも手前の赤いものが目が入る。
「リンゴ飴。食べたい」
「買いに行こっか」
私が財布を出そうとしたら"女の子は出さなくて良いの"そう言われ、お言葉に甘えることにした。
まだまだ沢山並ぶ出店をゆっくりと歩きながら見ていく。
ふと平野くんが立ち止まったのは射的。
"どれかほしいのある？"そう聞かれ景品を見渡して、真ん中にあった犬のぬいぐるみキーホルダーを指差した。
平野くんはものの3発でそれを落とした。
「あげるよ」
「えっ、いいの？ありがとう」
そしてそれはすぐに私の元に来た。
お祭り会場近くの海で少し休憩をする。
先程の人混みから一変、周りには人っ子一人いなかった。
「そんな食べれるの？」
心配されるのも無理はない。
私の手にはリンゴ飴、唐揚げ、焼きそば。
平野くんの手には私が持ちきれない、たこ焼き、綿菓子。
久々のお祭りで調子に乗り沢山買いすぎた。
「…頑張る」
言うまでもなく完食することは不可能で、平野くんに手伝ってもらった。
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作者名：真名 | 作成日時：2021年2月20日 0時
