検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:111,475 hit

吉原の救世主 ページ3

坂田side






「ねえ銀さん。あたし達はね、吉原(ここ)からお天道様拝めるようになって、もう満足さ。満足な、はずなんだ。
でもね。人ってね、我儘なものさ。あと一つ、どうしても欲しいものがある。取り戻して欲しいものがあるんだよ、銀さん。」



日輪も、後ろに居た月詠もどこか寂しげだった。晴太なんかは、顔を歪めて涙を流している。

あーあ、銀さんこんな辛気臭ェのは苦手なんだけどなぁ。
おいおい神楽、ぱっつぁん。テメー等もつられ泣きすんなよ。はあ、全くなぁ。



「で?その欲しいもんってのは何なんだよ。」


「…名前を、あたし達は知らない。ただ、きつねさんって呼んでる。あの人はね、黄金色の長い髪を一つに束ねて、髪と同じ色の羽織りを揺らすのさ。」


「何だソイツ、ただの女じゃ───────」



言いかけたら、クナイが飛んできた。言わずともそれは、俺の頭にいつも通り刺さる。



「きつねの坊はれっきとした男じゃ。」



そんなことも分からんのか。そう言って俺を見下ろすけどさあ!銀さんソイツと会ったことないから!分かんないから!






「その、きつねさんって今は何処にいるんですか?」


「ハア、これだから空気の読めない男は嫌アル。それが分かったら苦労しないネ。」


「なんか今日無駄にあたり強いね神楽ちゃん!!」






餓鬼は元気だよなぁ。ちったぁ大人を労われ。

そんなことを頭の隅で考える。クイッと、着物の裾を引っ張られた。





「銀さん、きっともう吉原にきつねさんは居ない。地上に居ると思うんだ。あの人は、一つの場所に長く居れない性分らしくてね。きっと、まだ宇宙には行ってない筈だから。

頼むよ、救世主様。」



煽てりゃ良いってもんじゃねーんだからな。でもまあ、仕方ねえ。



「…弾むぜ?依頼料。」


「きつねさんに会えるなら、それで良いさ。頼んだよ、銀さん。」

「しっかりやりなんし。」









▽▲▽









「で?何で着いてきたんだよ晴太!お前んとこの過保護だからテメーに何かあったら俺スゲー怒られんの!分かる?!」

ガクガクと揺さぶりながら叫ぶ。子供に容赦ねえって?んなもん知るか。



「お、おいらきつねの兄ちゃんが行きそうなところ知ってんだよ!ね、ね?連れってやるからよ!頼むよ銀さん!おいらにも手伝わせてよ!」



「良いじゃないですか銀さん。連れてって貰いましょうよ。」


「さっさと終わらせて、たらふく飯食うネ!」





はあ、仕方ねえな。

料理人は遊び人→←それはもう昔のこと



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (265 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
369人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 男主 , 万事屋・真選組・春雨・吉原   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あきな(プロフ) - 面白いです!更新大変だと思いますが頑張って下さい!!応援してます!!! (2017年9月29日 21時) (レス) id: a03d3f2ed8 (このIDを非表示/違反報告)
空白 - 俺こうゆうの超好き!!!!!! (2016年6月18日 0時) (レス) id: 46538a2eea (このIDを非表示/違反報告)
夏凛 - めっちゃ面白いです! (2016年4月12日 1時) (レス) id: b1b68a76c0 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - え?終わり?そんなわけないですよね!更新頑張ってください! (2016年3月31日 15時) (レス) id: 131cdd29b3 (このIDを非表示/違反報告)
潮音(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!更新頑張ってください!応援してます! (2015年11月8日 19時) (レス) id: 05ac5cb1f7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:とまと侍 | 作成日時:2015年10月21日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。