双子の豹【ミカグラ学園組曲】 (ページ15)

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【13】一宮エルナを動物で例えるならどんな動物? ページ15

「そういえば、ぼくはなんでウサギになったんスか?
もっとかっちょいい動物が良かったっス!!!
ドラゴンが良かったっス!!!!」

……ドラゴンが動物なのかどうかはアホらしいのでひとまず置いておくとして、私もそれはかなり気になっていた。

私や遊兎が見た限りではにゃみりんと大して会話もしていない内にあだ名までがいつの間にか決められているように思えるけど、どうなのだろうか……?

「うさ丸くんはねー。なんかねー。ウサギだよぉ!!」
「全く説明になってないっス!!!?」

「んんー、だってウサギだよぉ?」

『いやだからそれは説明になってないってば!!!?』

にゃみりんの説明がヘタ過ぎて意味不明な感じになってしまった。

彼女は勘だけで物事を決めているところがあるから、我々には理解できない事が多過ぎる……。

でも、うさ丸は耳が良くて大人数でいても意外とみんなの話を聞き取っている事や、ふんふんと鼻を鳴らすような仕草をしたりもするから確かにウサギっぽいよな、と遊兎が耳打ちしてくれた。

ああ、そういうことなのね、と納得する。

「……えっ?悠香は気付いてなかった的なの?」
『う、うるさいなぁっ!!!!
私はにゃみりんや遊兎ほど観察力良いわけじゃないんだから仕方ないでしょ!!?』

逆ギレだ。完全に逆ギレだが私は悪くない。
そう。俺は悪くねぇ!!!!(言いってみたかっただけ)

しかし私のそんな脳内での茶番はすぐにシャットアウトさせる。

「……じゃあさ、もしもだよ?
さっき来た一宮ちゃんが入部するとしたら何の動物になるの?」

遊兎がなんとなくといった感じでにゃみりんにそう聞いた。

確かにあれだけの短時間であっても、にゃみりんなら動物モチーフの発想までは辿り着いている筈だ。

「ハムスターっぽくないっスか!!?
一人で回し車を延々とやり続けていそうな感じっス!!!」
「『うさ丸は何気に失礼(だね/だな)…!!!?』」

でもわからなくはない。
とにかく全力で走り続けていそうなイメージだしぴったりかもしれなかった。

しかし遊兎は、

「インコ的なところもないかな?あの騒がしさからするとさ」

確かに誰も聞いてなくてもなひたすら鳴いて喋ってそうだ。
しかもそれを本人が聞いたらまた騒ぎそうな事まで想像できてしまう。

あれだけの短時間で私達にこれだけの爪痕を残して行った一宮エルナ……恐るべしだ。