百一通目 ページ2
事件が起こったのは、太陽の日差しが温い昼下がり
五時間目の剣術の授業だった
普段のクラスは一から五組にわけられているのだが
これは全クラス合同
優れた技術を有する者を集めたA組から
最下のJ組
平等ではない振り分け方をしているが、より優秀な軍兵を育成するためには仕方のないことなのだ
ちなみに私が所属するのはJ組
自分の実力が伴っていない結果なのだから、何も言うつもりはない
しかし、図書館の本を読みあさったあとである今は、思考が全く違った
この授業を、意味のないことと捉えてしまう
──いや、事実として意味がない
素振りと称して、ただ棒きれを振り回す子供のお遊び
剣術の基本形として教えられるのは、無味乾燥な技術
攻撃の際も防御の際も、隙しか存在しない低劣なそれ
この学校は、軍兵教育に積極的だ
しかしそれは、上層クラスの人間の才を伸ばしているだけ
全ての生徒が努力をすればこうなると、虚言まみれの看板を上げている
実際の剣術についての本を読んだ今ならわかった
それについて詳しくない下層の私達は、バカにされていたのだ
「それで、この際はこのように防御を──」
J組生徒数十人の前で、気怠げに教授する教師
元軍兵だったらしい彼が、剣術を行うのにこんなつまらなそうな顔をしている理由も明快となった
──下の者を救う気もない、平等精神のかけらもない教育
苛立ちが募って、それを抑えることができなくなる
バァンッという、私が木刀を地に叩きつける音
やってしまったと思っても時既に遅し
目立ってはいけないという約束事項があったにもかかわらず、私は事を起こしてしまったのだ
クラス中の生徒が私を見る
──グルッペン様に要報告をしなければ
「なんだ、A・ヴィジィール」
不満さを包み隠さない教師が私を睨んだ
状況を変えてしまったのだから、このまま突き通さなければ
『元軍兵たる先生は、この授業をどう思いますか』
「どうとは？」
『この授業を、意味があるものだと思われますか』
「あたりまえだ、私はお前達を強くするために教育しているんだぞ？」
──だから黙れ
そう付け足しそうなほど、殺意をはらんだ声
元騎士としての威厳は無いのか？
下位のものへ、敬意や優しさは必要ないと？
剣術へ対して前向きな、シャオロン様やコネシマ様の笑みを頭に浮かべながら、態度の悪い教師を睨み返した
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みたら士(プロフ) - Mahtaさん» こんなところに通が？！これは今後が大変そうです( 'ω' ) (2019年8月14日 19時) (
レス) id: 92ac31019d (このIDを非表示/違反報告)
Mahta - ワルサーP.38ね。かの有名な大怪盗ルパン三世も使っている拳銃だね。センスがいい。(上から目線マジすんませんいまね、なんかね、むしょうにちゅうにごころがあれなんだよ)(読みにくい)頑張ってください (2019年6月30日 20時) (レス) id: 48ed6174b8 (このIDを非表示/違反報告)
ロックン(プロフ) - みたら士さん» はい！わかりました！ (2019年2月13日 17時) (レス) id: 92cf6928d1 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - ロックンさん» も！ち！ろ！ん！で！す！ツイッターの方で私を調べ、話しかけていただいても……？ (2019年2月13日 17時) (レス) id: d493129e91 (このIDを非表示/違反報告)
ロックン(プロフ) - 表紙描いて欲しいです(唐突)私の画力じゃ、表紙に飾れないので。お願いします。 (2019年2月13日 16時) (レス) id: 92cf6928d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みたら士
| 作成日時：2019年1月1日 19時
