三百五十四通目 ページ5
Aの旅立ちに兄さんが協力する意を示して
それからの二日間は早かった
その中でAは、かつてないほどにくられ先生に尽くした
「兄さんとくられ先生はゆっくり旅の話でもしていてください。だって、三日しかいられないのでしょう？」
というお題目の上で、様々な家事を熟し、研究をはかどらせた
また新しいポーションが完成するかもしれない
それはまぁ、不明であるが
掃除洗濯炊事に至るまで、色々なことに手を出した
──そうしてやってきた、三日目の夜
くられ先生が眠りについた後に出ると、兄さんが言ったのだ
違和感は覚えたけれども、この母屋を離れるという切なさから、その奇妙さはどうでも良いことだと退けた
「荷物乗せたか？」
「ッはい、大丈夫です」
程々に広い荷台
その前方、つまり馬を操る兄さんの背後には品である木箱が積まれ
後方の空いているスペースにAの荷物と食料の備蓄
残りはA個人が寝たり好きにしていいと言われた
売れ残ったらしい布団を渡されたときは、まさかそんな待遇になるとは思っておらず驚きを隠せなかった
兄さんは時々馬車を止めて眠りについたりするらしい
街が近くにある場合は宿に止まるんだとか
幸い旅費に関しては心配しないで良いようで
彼の負担になることは少なさそうだなと、安心していたその時
「……もう行っちゃうんだね」
聞き馴染んだ柔らかな声
──くられ先生の優しい声が聞こえた
荷馬車に乗っていたが、思わず扉へ振り返ると
「くられ、先生」
そこには、くられ先生の姿が
閉じた戸の前で、いつものような白衣姿のままこちらを見上げている
気づいてしまったのかと、Aは焦って兄さんを振り返った
「……気づいたんやない。俺が教えた」
だいたい、こんな夜に出発するなんておかしいって思うやろ、と、そっぽを向いたまま言う彼
その表情は暗がりからは伺えないが
Aは彼の声を聞くがはやいか、すぐさま荷台から飛び降り、くられ先生に駆け寄っていた
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萌木 - もしかしたら意図的で、この先の話を読んでいないのでそんなに偉そうに言えないですし、このコメントが届いているのかもわからないですけど、 三百七十六通目の最後、兄さんはヴィルヘルミナの名前しか知らない筈です。 ご確認お願い致します。 長文失礼致しました (2022年7月8日 17時) (
レス) @page27 id: 7b477ee6df (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 心の中で盛り上がってまいりましたと踊っています。主人公がうっに再会できること心より楽しみにしております。 (2020年1月22日 23時) (レス) id: 204dfe46bb (このIDを非表示/違反報告)
歌い手総推し！&外資系と書記長寄りの箱推し！ - とうとう運命の瞬間が…！niさんと夢主ちゃんはどのような反応をするのか…楽しみに待っています！ (2020年1月22日 13時) (レス) id: 6e4f801f19 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 茶葉さん» （コメントの検索避けありがとうございます）二人の関係がどう動くのか……夢主の運命は……どうぞ楽しみにお待ちください (2020年1月21日 20時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - しゅがーさん» そろそろ�修砲眛�りますし、物語は展開を続け……この質問が一体どうなってしまうのか、ご期待しつつお待ちくださいな (2020年1月21日 20時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
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