三百八通目 ページ9
「や、ぼう……」
【やりたいこと】や【夢】ではない
できずともやってやる
そのためならば何でも利用してやるぞという心意気
【○○したい】ではなく【○○する】
それが【野望】というものだ
──それならば、幾らだって考えついてしまう
小さいものでも、大きいものでも
例えば、治癒のポーションを必ず完成させる
我々国に帰還し、秘書官に返り咲く
──それでも不可能という壁は立ちはだかるのだ
手間だってかかる、そもそもきっと
──もう、最愛の人たちはいない
この耳で聞いたのだ、彼らの部下の報告を
息をしていないだとか、なんだとか
生存の希望はどうせ、持つだけ無駄なのだ
──今、Aの寝室の枕元においてあるインカムは
くられ先生が拾ってくださった際に、耳についたままだったようだ
流されなかったという、不幸中の幸い
しかしやはり壊れているのか、通信は繋がらない
ボタンを押して聞こえるのは
ガガッ、ピーピピ、ガッ
というような、無機質な機械音のみで
繋がって生存報告ができるのでは、という一縷の望みも消え去った瞬間の悲しみは、そこ知れなかった
「……知りません。野望なんて」
「あると思うけどな。誰にだって」
──人畜無害を装った、虫も殺せない聖人だって
宗教のおえらいさんも
どんな存在にも、あるはずのそれ
あるはずだろうと問われるたびにAは、知らない、知らないと生返事をした
「──そか。もし芽生えたら、俺に一番最初におしえてや」
「わかりました」
──そんなものが、芽生えるとは思いませんが
【野望はない】という、精一杯の嘘
しかしどうせ、兄さんはそれを見抜いているのだろう
彼の前では何故か、嘘が通用する気がしない、Aである
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みたら士(プロフ) - 名無しの××さん» ありがとうございます……適度に休憩しつつ更新させていただきます、お待ちください！ (2020年1月3日 23時) (
レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの×× - この小説が大好きです。大変だとは思いますが更新頑張ってください。応援しております。 (2019年12月29日 15時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 妖那。さん» ついにですね……でももう少しで�柴�りそうになっちゃいました。ご心配ありがとうございます、ゆるりと更新していこうと思います (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - ブンブンさん» 満を持して登場です、続編来ちゃいました (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
妖那。(プロフ) - ついにVIIですね…!体調を崩さない程度に更新頑張って下さい！ (2019年12月20日 22時) (レス) id: 4a3820ee7b (このIDを非表示/違反報告)
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