三百四十八通目 ページ49
人が死ぬことは、理解している
生命の終わりは突然だし、避けられないことだし
ただ──ただ、死んだように生き続けることの辛さは
当該者本人の辛さも、それを見ているまわりの心の痛みも
知るよりもなかった
「ショッピ君。久々に兄さんが来たゾ。合うのは何回目だ……？覚えてないがまぁ別にええやろ」
そう言ってグルッペンが話かけるのは、呼吸器を付けて眠りにつく、ショッピだった
彼の体には幾つもの機械が繋がっていて
それが延命処置を行う道具だというのは歴然である
「──半年ぐらい前にな、戦争があったんや」
グルッペンは呟くように、ぽつりぽつりと吐露し始めた
唐突に始まった、ガヴィルとの戦争
突発的なそれは、幹部に大打撃を食らわせたという
コネシマの片足は機能を停止させてしまい
大先生とゾムは、かつて程勢い良くは動けない
──そして、兄さんがまだあったこともなかった幹部の一人が、死んでしまったのだという
兄さん自身にできた、新たな後輩
まさかその顔を見るまでもなく終わってしまうだなんて
他人事のようだか、あまりにも悲しすぎる
「次、もしも戦争があったら……この国がどうなるか、わかったもんじゃないな」
前衛に走り出ることのできる幹部が
──士気の大本であり作戦の土台となるコネシマが、後方支援に徹するのみ
遠距離で率いて功績を上げていたショッピが絶命寸前
ゾムの斥候による情報が届かなくなり
大先生は──彼が居ないだけでできる穴の数は最早、数えられないだろうか
「これからどうするん？」
──兄さんが再び旅立ってしまえば、この国は本当にどうなってしまうかわからない
血反吐を吐きながら手に入れたこの安寧の地が崩れてしまう可能性だってあるのだ
そんな意味合いを込めて、兄さんは問うた
「なぁに、どうにかするさ。それが俺の役目だからな」
苦笑したグルッペンは、辛そうでも苦しそうでもなかった
ただ精悍な顔つき
国の元首である男の面構えだった
「……じゃあ、後のことは任せたわ」
そうして国に滞在して、数日
土産話に花を咲かせ、思い出に耽っていれば
とっくに一週間は過ぎ、兄さんはふたたび旅立っていった
Aの元に訪れるまで、あと
半年
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みたら士(プロフ) - 名無しの××さん» ありがとうございます……適度に休憩しつつ更新させていただきます、お待ちください！ (2020年1月3日 23時) (
レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの×× - この小説が大好きです。大変だとは思いますが更新頑張ってください。応援しております。 (2019年12月29日 15時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 妖那。さん» ついにですね……でももう少しで�柴�りそうになっちゃいました。ご心配ありがとうございます、ゆるりと更新していこうと思います (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - ブンブンさん» 満を持して登場です、続編来ちゃいました (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
妖那。(プロフ) - ついにVIIですね…!体調を崩さない程度に更新頑張って下さい！ (2019年12月20日 22時) (レス) id: 4a3820ee7b (このIDを非表示/違反報告)
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