三百三十七通目 ページ38
つい、カッとなったのだ
──まるで犯罪者や虐待親のような言葉感だけれども
彼女の猛攻にやられるばかりの自分に腹が立って
つい、仲間と手合わせをしたり、戦場をかけめぐる容量で、蹴り上げてしまった
そうしたら、彼女は飛んでいった
薄汚れたゴムボールのように地面をはねて、しまいには転がって
動かない
急所に当たってしまったのか、失神してしまったのか
遠目からではそれすら不明だ
手加減をしそこなってしまった
──それほどまでに、彼女は異様だった
軍用等の剣術を習っている〜というわけではない
格式張ったものを起用しているにしては、蹴り技混じり──普通ならば汚い手と言われるものを行っているし
軍用にしては、彼女の型は自由だ
右からも左からも攻め入って来て、突きだって行う
相手を蹴り倒してしまおうと足技だって繰り出してくるし
しまいには横腹を蹴られ顎を蹴り上げられ、ボロボロだ
彼女の戦闘スタイルには、取り決めがないのだ
──故に対処がしにくい
数刻戦っていれば、相手の手癖や攻撃のタイミング、呼吸、様々わかってくる
それが、彼女のものは不明瞭で不可解なのだ
決まった瞬間に繰り出されはしない
咄嗟に防御姿勢をとっても、攻撃はまるで蛇のようにうねる
理解しがたい
──油断や隙はまだまだ多いけれども
彼女はきっと、かなりの逸材で──
「ッヴィル！！」
ハッとして、言葉を投げた
そうだ、加減知らずに蹴り上げてしまったのだった
考え事に夢中になっていて忘れていた、なんてザマだ
思わず剣を放ると、彼女に走り寄る
──何も持たない、徒手空拳の、無防備な様で
きっとそれが、いけなかったのだろう
自身に背を向けて横ばいになる彼女にそっと、手を伸ばしたとき
彼女は既に、罠を仕掛け終えていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1833人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みたら士(プロフ) - 名無しの××さん» ありがとうございます……適度に休憩しつつ更新させていただきます、お待ちください！ (2020年1月3日 23時) (
レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの×× - この小説が大好きです。大変だとは思いますが更新頑張ってください。応援しております。 (2019年12月29日 15時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 妖那。さん» ついにですね……でももう少しで�柴�りそうになっちゃいました。ご心配ありがとうございます、ゆるりと更新していこうと思います (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - ブンブンさん» 満を持して登場です、続編来ちゃいました (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
妖那。(プロフ) - ついにVIIですね…!体調を崩さない程度に更新頑張って下さい！ (2019年12月20日 22時) (レス) id: 4a3820ee7b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
