三百三十四通目 ページ35
「ッッッッ？！？！？！」
兄さんが息を呑む様子がスローに見える中
Aは振り上げていた剣を、彼の額を狙っておろした
風を裂く一撃
もう少しで届くッ──
しかし兄さんは瞬時に木刀を横ばいにし、両手でその攻撃を受けた
ぎりぎりと、木の軋む音
押し込めど押し込めどびくともしない
それどころかだんだんと、Aの刀が兄さんから離されていく
男性と女性との膂力の差が浮き目でているのだ
振り込む際に力を込める量が多かったのなら、あるいは──
そんなことを考えながらもAは、接敵してしまった相手と距離を取るために、後ろ足になっていた右足を蹴り上げた
明確にどこかを狙ったわけではない
ただ二人の隙間をあけるために
勢い良く蹴り上げたそれは兄さんの顎を掠め、彼は一瞬にして後方へ跳躍
その隙を見計らってAは体制を立て直し、再び彼に走り寄った
兄さんも応戦
そうなれば、切り弾きいなし切りかかりの繰り返しとなる
めまぐるしい剣戟
一瞬の迷いすら許されない
木刀でなくこれが真剣だったのならば、確実に切り傷を量産していたことだろう
勢い良く叩きつけたAの刀を兄さんが受け、その攻撃軸を右方へ流す
それによりAは僅かにバランスを崩し、その隙に兄さんが刀を振りおろし
それを回避すべくAは、前方へ倒れ込みながらも後ろに足を振り込み、後方蹴り上げを彼の刀を持つ手に繰り出す
そのままAは刀を持つ手ごと地面に両手を起き、ロンダート混じりに再び離れるのだった
「ッッッてぇなぁ」
数メートル離れてから兄さんをみやれば、彼は口から出血していた
舌か何か噛んでしまったのだろう
なんてことを考えるAも、剣戟のさなかいなしきれなかった切先が肩を穿ち、熱を持ったような痛みを覚えている
両者互角
──いや、兄さんのほうがAの上位互換だ
このまま、ならばだが
再び斬りかかろうと兄さんが刀を構えた隙を見計らって
──Aはその両腕から、鏢を放った
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みたら士(プロフ) - 名無しの××さん» ありがとうございます……適度に休憩しつつ更新させていただきます、お待ちください！ (2020年1月3日 23時) (
レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの×× - この小説が大好きです。大変だとは思いますが更新頑張ってください。応援しております。 (2019年12月29日 15時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 妖那。さん» ついにですね……でももう少しで�柴�りそうになっちゃいました。ご心配ありがとうございます、ゆるりと更新していこうと思います (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - ブンブンさん» 満を持して登場です、続編来ちゃいました (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
妖那。(プロフ) - ついにVIIですね…!体調を崩さない程度に更新頑張って下さい！ (2019年12月20日 22時) (レス) id: 4a3820ee7b (このIDを非表示/違反報告)
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