三百三十三通目 ページ34
七日目
昼過ぎの頃
旅支度を済ませた兄さんとくられ先生と共に、Aはいつもの丘に来ていた
程々に平たい平原の中央には、中背の木が一本、我が物顔で立っている
その木から少しそれるように離れて、Aと兄さんは向かい合っていた
これがおわれば、兄さんはそのまま旅立ってしまう
故にこれが最後の交流
のがせば次はまた来年だ
それまで我慢なんてできっこない
「俺は木刀。ヴィルは木刀と、なんでも好きなもん使ってええよ、ハンデや」
──舐められてるなぁとも感じているが
Aはそれで良いと承諾の意を示して頷く
ジャージを身に着けたAの、その長い袖で隠れた腕には
しっかりと鏢が巻き付けられて、備えられていることを、くられ先生はおろか兄さんすら知らないだろう
「はいはいそれじゃあいくよ？」
二人がいる平原から数十メートルほど離れた小高い丘の上で、くられ先生が袖を振って呼びかけている
その声を合図にAは、剣を構えた
Aと兄さんの隙間、目測三十メートル
長くもなく遠くもない
つまり、その距離をどれほどで詰めて仕掛けるかが、勝負の鍵なのだ
──得意分野でしかない、こんなことは
「お願いします、くられ先生」
「はーい！よーい……」
「ッはじめっ！！！」
くられ先生の声が響く
その声が止む頃にはもう
──Aは兄さんの間合いに、入り込んでいた
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みたら士(プロフ) - 名無しの××さん» ありがとうございます……適度に休憩しつつ更新させていただきます、お待ちください！ (2020年1月3日 23時) (
レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの×× - この小説が大好きです。大変だとは思いますが更新頑張ってください。応援しております。 (2019年12月29日 15時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 妖那。さん» ついにですね……でももう少しで�柴�りそうになっちゃいました。ご心配ありがとうございます、ゆるりと更新していこうと思います (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - ブンブンさん» 満を持して登場です、続編来ちゃいました (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
妖那。(プロフ) - ついにVIIですね…!体調を崩さない程度に更新頑張って下さい！ (2019年12月20日 22時) (レス) id: 4a3820ee7b (このIDを非表示/違反報告)
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