三百三通目 ページ4
鏢という武器は、いわば紐がついたクナイ、小刀だ
短くても数メートル、長ければ十メートルにもなる、指ほどの厚みの縄
その先には鋭利な刃が仕込まれている
投げることで敵にその刃が刺さり、負傷させることができるというもの
主に、暗殺の道具──暗器として用いられる、鏢
Aは今その道具をそれぞれ両腕に巻きつけ、兄さんから扱いを学んでいるのであった
「まずはまぁ、投げるところからやな」
そういって用意されたのは、五個の缶
中身が空なそれを手に持つと、兄さんは淡々と話を続ける
──要は、コントロールを鍛えろ、ということらしい
急所か急所でないか云々の前に、そもそも的である敵に当たらなければ話にならない
柄付ナイフの重量を把握し、飛距離を計算、調整
縄の緩み方等も管理した上ではじめて、暗器としてまともな機能をするのだという
「んまぁとりあえず、試したほうがはやいな」
いうが早いか兄さんは、Aから七メートル程の距離に台を置き、缶を五つ上に並べた
言われるがままにAは紐を腕に絡め、適当に長さを緩めて投げる構えをとる
球技のような、上投げ
乱雑に投げてみれば、縄が緩く力も強かったのか、ナイフは缶を越えた先の地面に突き刺さる
二投目も、三投目も、四投目五投目だって
短すぎたり照準が甘かったり、様々な理由で刃先は獲物から逸れて
至るところに突き刺さるのだった
「す、すみません」
内心Aは、かなりショックだった
意外どころか、これを扱うのはかなり難しい
力加減を変えるだけで、飛ぶ向きも飛距離も変わってしまうのだ
「うーん……その、ボール投げるみたいな投げ方、やめたほうがええかもな」
感覚的には、フリスビーとか投げるみたいな、横投げ？みたいなやつ
──らしい
よくわからない
まぁ、なんとなくは理解したけれども
それでもAは、なんともいえない気分のままだった
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みたら士(プロフ) - 名無しの××さん» ありがとうございます……適度に休憩しつつ更新させていただきます、お待ちください！ (2020年1月3日 23時) (
レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの×× - この小説が大好きです。大変だとは思いますが更新頑張ってください。応援しております。 (2019年12月29日 15時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 妖那。さん» ついにですね……でももう少しで�柴�りそうになっちゃいました。ご心配ありがとうございます、ゆるりと更新していこうと思います (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - ブンブンさん» 満を持して登場です、続編来ちゃいました (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
妖那。(プロフ) - ついにVIIですね…!体調を崩さない程度に更新頑張って下さい！ (2019年12月20日 22時) (レス) id: 4a3820ee7b (このIDを非表示/違反報告)
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