三百二十四通目 ページ25
「私はもともと、ガヴィルの人間です！」
なのに何故貴方方幹部は、私に通常の扱いをするのだ
Aを間接的に殺したと言っても過言ではないのに
──実際Aを、救うことができなかったというのに
だが何故この国の幹部は、当然のようにベリヌーイに接するのだろうか？
裏切り者だと
弱者だと
無能だと蔑みの目を向けないのだ？
お前のせいでAは死んだのだと、憎悪を抱かないのだ？
「どうせ心のうちでは、恨んでいるのだろう？だって、だって私は──」
ガヴィルの、人間だから
そう続けようとした言葉を制止したのは
「お前が、何なのだ？」
ほかでもない、グルッペンその人だった
「お前は今、我々国の人間だろう」
──自分は間者だとでも言うのか？
それは結構な報告だ
そう含み笑いをする彼に、ベリヌーイは何もわからなくなる
「私は、私は」
「では逆に問おう」
──お前は、我ら幹部がそこまで落ちぶれた志に見えるか？
例えばお前が、裏切り者だったとしよう
スパイであり、国の今後を脅かす存在
だがしかし、その程度のことで俺達が、お前をけなすとでも？
根拠のないこと、理由のない苛立ちを、お前にぶつけるとでも？
弱者、無能であるからと言って、誰か一人を軽蔑するとでも？
弱者とはつまり、これから強者になる可能性があるということだろう
自責の念が強いということは、自身を誰よりも理解しているということだろう
それなのに何故、誰かを差別することがある？
裏切り、いじめることがある？
「ッ、それは……」
「この際だから、はっきりと言おうか」
明言する口調に、ベリヌーイは下げていた視線をもたげ
意思の強いその双眸を、しっかりと見返した
「俺達が誰かを、無能、裏切り者、弱者といって甚振ると思っている輩！」
「お前たちは、俺達を何も理解していないようだな！」
「俺達がそんな低俗な存在だと思っているのなら」
「あえて言おう、それはただの能無しだと！」
──我々国幹部は、ただ一人として仲間を蔑視したりはしない
たとえどのような愚行をおかしたものであれど
──その証拠があれど
今まで歩んできた仲間であることに変わりはない
確証がなければもちろんだ
仲間を容易に裏切るという偏見を、我々に押し付ける輩こそ
最大の愚図である
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みたら士(プロフ) - 名無しの××さん» ありがとうございます……適度に休憩しつつ更新させていただきます、お待ちください！ (2020年1月3日 23時) (
レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの×× - この小説が大好きです。大変だとは思いますが更新頑張ってください。応援しております。 (2019年12月29日 15時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 妖那。さん» ついにですね……でももう少しで�柴�りそうになっちゃいました。ご心配ありがとうございます、ゆるりと更新していこうと思います (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - ブンブンさん» 満を持して登場です、続編来ちゃいました (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
妖那。(プロフ) - ついにVIIですね…!体調を崩さない程度に更新頑張って下さい！ (2019年12月20日 22時) (レス) id: 4a3820ee7b (このIDを非表示/違反報告)
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