百七十通目 ページ21
「────っ！！」
突如として現れた彼に驚きつつも、咄嗟の判断で前方へ駆け出す
シャオちゃんの時よろしく、その一撃は容易に地をえぐった
「っ……次はっ、あなたですか……コネシマ様っ……！」
「いやぁ残念やけどちゃうんよなぁ」
いつもながらの声量と、楽観的な声音で発されたその言葉
しかし私へと向けられた水の瞳は酷く冷酷で
──私より後方を見ていた
「─────っ！！」
瞬間、そちらへ目を向ける
──それと同時に、私の頬に熱が伝った
遅れて耳に届いた、ヒュンという空気を割くような音
目を見開いて、ゆっくりとした動きで自身の頬に触れる
かすかな痛みと、指先についた赤い色
痛覚の根源を人差し指でなぞれば、一の字に自身の肌が切れていることがわかった
頭脳は勝手に、先程の音と照らし合わせる
──銃か。実弾の
本当に浅くだが、正確で綿密な射撃
思い当たるのは数名だけだったが、ここ幾日をともにしていたのだ
そのおかげで、現在彼とバディを来んでいるであろう人物は一人しか思い浮かばなかった
確信とともに、目線を上げる
訓練場を囲む屋舎の三階
窓枠の角からこちらに銃口を向けるショッピ様の、そのスコープ先の目と私の目があった気がした
直後、私の全身が総毛立つ感覚に襲われる
私の頬を赤く染めた鮮血は、アレが本物の銃であることの証明
彼ほどのスキルを持っている人物がわざわざ掠めさせたのは、脅しか何かだろうか
一分たりとも侮ることができない
「まぁ、Aさん退屈させないように頑張るんで。はい」
三人しかいないこの場では、彼の舌足らずな声もよく聞こえる
ただ私はそれに、引き攣った笑みで返すことしかできなかった
──一体この組織は、どれほどの化物が揃っているんだ
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檸檬 - めちゃくちゃ面白いじゃないですか。返してください、私の腹筋（）。番外編で夜中なのに「ゲルテェェェェェェェ！（感涙）」って叫んじゃいました。 (2021年5月23日 1時) (
レス) id: 1448aeacc9 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 最近更新が多くて嬉しいです。ありがとうございます。これからも応援しております。 (2019年10月14日 1時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ホタテおいしぃ - 熱い展開になってきましたね！ (2019年10月5日 11時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
nia(プロフ) - 更新待ってました！！！ (2019年9月29日 21時) (レス) id: dcff59daa3 (このIDを非表示/違反報告)
るるりぃ - ココラさんと同じく何故か胸が苦しくて・・医務室から逃げる場面から涙が出ました。更新頑張ってくださいね！みたら士さん！ (2019年8月28日 23時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
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