誇り高きイストワール 【番外編 百六十八通目】 ページ19
「アサヒアターック」
グルさんと談笑していると、突如として腹部に衝撃──といっても柔いものなのだけれど──が襲う
思わず下を向けば、ウリウリと私の腹に顔を埋めるシャオちゃんの姿が
上から見下ろすだけでもわかるほどに赤い顔
そして漂うお酒の香り
──しかしそれは、グルさんのものよりも薄く
だが、彼が酔っているということは明らかだった
「っておいシャオロン！おま、何しとるんや！」
瞬時にこちらの異変を察知したらしいトントンさんが声を荒らげる
その怒声に呼応してか、会話をしていた他のメンバーもこちらへ顔を向け
私の腹に抱きつくシャオちゃんを見て、目を見開いた
「おい誰やシャオロンに酒飲ませたやつ！」
「あれ何杯目や？五杯目か？」
「いや、まだ一杯目……」
「まじでか？！」
思わず耳を疑った
一杯だけでこんな風になってしまうというのか
──その感覚、わからなくはないが、大の大人がこうなっているのを見ると唖然としてしまう
「ちょ、とりあえずシャオちゃん！離れて！」
持っていたグラスを卓上に置くと、鬱様がじりじりとにじり寄る
皆もゆっくりと戦闘態勢に入った
──これは、言わずもがな私も巻き込まれてしまうやつでは
救いを求めるように、先程まで会話していた相手──横に立つグルさんに目線を投げる
しかしそこにいるはずの彼は、いつのまにか安全地帯たる、部屋の隅で呆れ顔を浮かべるひとらんさんの元に移動していた
まさか私は犠牲にされたというのか
「ちょ、皆さんステイ！シャオちゃんは離れて！」
「えぇ、ええやん〜冷たいなぁ。庇ってやA〜」
そういいながらシャオちゃんは、私を立てにするかの如く背面へ逃げ込む
──なんだ、この不毛な争いは
というか何故皆にじり寄る
意味のない、ただのお遊び
「っ……ぷ、ふふふふ、っ、ははは」
──思わず、笑みがこぼれてしまった
こんな馬鹿げたことができるのが嬉しい
しっかりと、皆の輪に入れたような感覚がして
「ちょ、Aちゃんが壊れた！」
「はよシャオロンを引っ捕らえるや！かかれー！」
その日はそうやって、ちょっと間が抜けたようにはしゃいで
それからゆっくりと談笑して
始めての祝宴を、終始楽しんだ
建国おめでとう、我が国よ
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檸檬 - めちゃくちゃ面白いじゃないですか。返してください、私の腹筋（）。番外編で夜中なのに「ゲルテェェェェェェェ！（感涙）」って叫んじゃいました。 (2021年5月23日 1時) (
レス) id: 1448aeacc9 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 最近更新が多くて嬉しいです。ありがとうございます。これからも応援しております。 (2019年10月14日 1時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ホタテおいしぃ - 熱い展開になってきましたね！ (2019年10月5日 11時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
nia(プロフ) - 更新待ってました！！！ (2019年9月29日 21時) (レス) id: dcff59daa3 (このIDを非表示/違反報告)
るるりぃ - ココラさんと同じく何故か胸が苦しくて・・医務室から逃げる場面から涙が出ました。更新頑張ってくださいね！みたら士さん！ (2019年8月28日 23時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
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