百五十一通目 ページ2
兵とリイカが立ち去る足音が聞こえた
安堵で肩を落とし、思わず顔を伏せた
数秒の間ののちに、グルさんが笑い始める
「っ……ハハハハハッ！」
悪魔的な高笑いが向けられるのは私であると、彼の顔や視線を確認しなくてもわかった
不快感をかすかに覚えるが、今はそんなことあと回し
身の自由が優先
『……この手錠、はず……し……』
目線を上げた私の視界に映ったのは、グルさんの秀麗な顔立ち
頭が真っ白になった
足音もたてず、いつのまにこんな近くに？
いや、その前に──
『っ……ひぃっ……』
恥ずかしさに、迷うことなく後退
手錠をつけた手で顔を覆いながらも、視線は彼から退けない
ほくそ笑むグルさんに感じるのは、現状怒りよりも羞恥だった
『なにっ、何してんですか！いやまずは私の錠を外してください』
「何を言っている？」
『は？』
「通常なら、お前は幹部。錠をかける機会なんて存在しない。例え俺でも、お前に罪を問うことができる案件が少ない」
「ならば、現状を楽しもうじゃあないか」
──変人だ
少しずつ歩み寄る靴音
私を一心に見つめる藍の瞳
視界の隅に映るトントン様やオスマン様は、何を考えているか悟らせないようにか、目を瞑り顔を伏せていた
縮まっていく距離
閉じられた扉に背がついて、もうこれ以上離れることができなくなった
好機というように、進みを早くして寄るグルさん
私が微塵も動けない程の近距離に立つと、私の制服のネクタイを掴んで顔を寄せた
──わざわざ私が行った手でやり返してくるあたり、本当に面倒くさい
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檸檬 - めちゃくちゃ面白いじゃないですか。返してください、私の腹筋（）。番外編で夜中なのに「ゲルテェェェェェェェ！（感涙）」って叫んじゃいました。 (2021年5月23日 1時) (
レス) id: 1448aeacc9 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 最近更新が多くて嬉しいです。ありがとうございます。これからも応援しております。 (2019年10月14日 1時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ホタテおいしぃ - 熱い展開になってきましたね！ (2019年10月5日 11時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
nia(プロフ) - 更新待ってました！！！ (2019年9月29日 21時) (レス) id: dcff59daa3 (このIDを非表示/違反報告)
るるりぃ - ココラさんと同じく何故か胸が苦しくて・・医務室から逃げる場面から涙が出ました。更新頑張ってくださいね！みたら士さん！ (2019年8月28日 23時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
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