いやなんでそんなことを俺に隠してた?!?! ページ5
全て、話し終わった。
「ってことです」
俺がそう締めると、マブたちは一気に静まり返った。
「そういうことはなぁ………」
「「早めに相談しろよ馬鹿野郎!!」」
一斉に叫ばれて、俺はびくりと肩を跳ねさせた。
目を丸くしていれば、マブたちはさらに続ける。
「まあ、俺ら以外に相談しなかったのはよかったな」
「そこだけは偉い」
「けどお前抱え込みすぎ」
「相談するとかの頭なかったのかよバーカ」
なんのこっちゃと固まっていれば、「あー、よかったよかったー」と言いながら、四人して酒やらつまみやらタバコやらを取り出してくつろぎ始めた。
「おっ、お前らなんなんだよ!
せっかく信頼して信用して相談したんだからマトモな答え返せやバーカ!!」
俺がついカッとなってそう叫ぶと、マブたちはにっと笑った。
「よし、ようやくいつものよつばじゃね?」
よもぎのその言葉に、俺はうぐっと言葉を詰まらせる。
こいつらもこいつらなりに、俺の事考えて行動してくれてたのかと思うと、なんだかジーンとする。
そう思っていると、さくらが衝撃の事実を口にした。
「まあ、僕らも呪術師だし」
「そっち系の相談には乗れる乗れる」と言うさくらの肩を、俺はガっと掴んだ。
「………………今なんて?」
「………僕たちが呪術師だって言った」
「お前ら全員?!」
「おん…」
「いやなんでそんなことを俺に隠してた?!?!」
そう叫び、「呪術師って危険職じゃん!」と更に喚く俺を、四人はまあまあと宥めてくる。
「だってなー、俺らの仕事って、よつばの護衛だし」
「はあっ?!?!」
「ちなみに依頼主はみもざさんだぜ」
「はあっ?!?!?!」
漫画のようにデフォルメされたら、確実に目をぐるぐると回しているであろう情報量に、俺は先程までの悩みが逆に軽くなっていた。
「でも、俺らがお前といたのは、普通に本心から楽しいからだけどな」
紅葉のその言葉に、少しときめいたのは墓まで持っていくべき俺の秘密である。
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作者名:ジンジャエール | 作成日時:2021年5月9日 8時